大林組は、効率的なバックアップ環境の構築を目指し、EMCジャパンの重複除外技術「Avamar」を採用した。追加のIT投資を発生させることなく、バックアップ用に転送するデータ量を9割以上も削減したという。EMCジャパンが2月1日に発表した。
大林組では、本社システムのサーバデータの大部分をテープによる遠隔地バックアップ体制で保護していた。最重要データはバックアップサイトのストレージへ転送し、企業ポリシーでもある災害対策を実施していたという。
同社では2009年、IT基盤の運用体制を見直した結果、複数のプロジェクトで共通利用可能なストレージの導入を検討することになったが、バックアップ体制の確立が課題になったという。たとえば、もう1つの中核拠点に同規模のストレージを用意してD2D(Disk to Disk)バックアップを行うとなると、ネットワーク回線の帯域拡張を含め多額のシステムコストを覚悟しなければならない。また、データ量増大を視野に入れた運用方式への転換も考慮しなければならなかった。そこで着目したのが、重複除外テクノロジでデータ転送量を抑制できるAvamarだったという。
EMCジャパンでは、大林組のグループウェアやデータベース上のデータを用いてAvamarの性能検証を実施。その結果、9割以上のデータ転送量を削減できた。これにより、大林組では既存環境を有効活用しながらバックアップ環境を構築できると確信。また、通常はフルバックアップを戻してから差分バックアップを追加するという複数の工程が必要になるリストアに関しても、Avamarは1回の操作で希望日時のデータをリストアでき、万一の際にもサービス復旧が迅速に実施できる点も評価され、選定に至ったとしている。
EMC Avamarバックアップ/リカバリ・ソリューションを採用することで、大林組は従来のストレージ環境を大きく変更することなく、効率的なデータバックアップ体制を整備することに成功したという。また、導入の効果として、従来のストレージの増設やネットワーク帯域幅の拡張に比べ、トタールコストを削減することもできたとしている。また、Avamarによる一元管理で、テープによる遠隔地バックアップ作業を削減することができ、運用負荷を軽減させたとしている。