次期OS「Mac OS X Lion」でIT管理者の負担を軽減?--目玉機能から考える - (page 2)

文:Erik Eckel(Special to TechRepublic) 翻訳校正:石橋啓一郎

2011-02-09 08:00

フルスクリーンアプリケーション

 またAppleは、Lionでフルスクリーンアプリケーションをサポートしたことも大きく打ち出している。この新OSでは、ユーザーがMacのデスクトップやラップトップを、iPhoneやiPadと同じ手法に使えるようにしている。

 iPadやiPhoneが大量に売れたことで、Appleのエンジニアは学んだ。Lionでは、従来型のコンピュータと対話する新しい方法が導入される。アプリケーションはフルスクリーンモードで実行できるようになり、気が散ることが少なくなって、より没入できるようになる。iPhoneやiPadと同じように、実行されている他のアプリケーションは画面から消え、動作1つで他のモードやアプリケーションに切り替えられる。これらの変更によって、コンピューティングやアプリケーションの使い方は単純になるが、ユーザーはすでにこれに馴染んでおり、IT部門のサポートは軽減されるはずだ。

Mission Control

 IT管理者は、Mac OS X LionのMission Control機能についての話も耳にすることだろう。Macユーザーは、コンピュータとの対話方法について、幅広い選択肢を持っている。アプリケーションをグループ化するSpacesを使っている者もいれば、開いているすべてのウィンドウに素早くアクセスできるようにするExposéを使っている者もいる。あるいは、1つのウィンドウにさまざまなガジェットを詰め込むDashboardを活用している者もいるだろう。

 Mission Controlは個人の好みに関わらず、無駄を省いてくれる。この新機能は、アプリケーション、Dashboard、Exposé、Spacesの情報を含め、何が動いているかを一目で分かるようにしてくれる。Mission Controlを使っている人は、スワイプのジェスチャーで、自分のコンピュータで動いているプログラムやインターフェースを俯瞰することができるが、これはIT管理者にとって、エンドユーザーがヘルプデスクに問い合わせることなく、自分のシステムを使いこなすのを助けるツールが増えることを意味している。

システム要件

 AppleはMac OS X Lionのシステム要件をまだ公表していない。同社の(Appleのソフトウェアプラットフォームで最後にリリースされた)iLifeを参考にするとすれば、IT管理者が不意打ちを食らったり、ハードウェアのアップグレードが必要になったりすることはなさそうだ。

 iLife '11の要件は、Intelのプロセッサを積んだMacということだけだったが、LionがCore 2 Duoかそれより高速なチップを必要とするというのはありそうなことだ。必要メモリはRAMが1Gバイトというところだろうが、スムーズに動作させるには、管理者は2Gバイトは見ておいた方がいいだろう。必要なディスク容量はSnow Leopardと変わらないだろうが、Lionはインストール用DVDなしで出荷される可能性もある。MacBook Airに附属している、USBのソフトウェア再インストール用ドライブが標準に採用される可能性はあるが、これは推測に過ぎない。実際にどうなるかは、時が経てば明らかになるはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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