SQL Serverのアップグレード時には、理由はさまざまであるものの問題が発生する可能性もある。本記事では、問題が発生する可能性を最小化し、「SQL Server 2008 R2」へとスムーズにアップグレードできるようにするためのティップスを解説する。
データベースサーバをSQL Server 2008 R2へとアップグレードするという作業は、インストールDVDを挿入し、ウィザードの指示に従ってマウスをクリックしていくだけという単純なものとはならない。SQL Serverのアップグレード時には、綿密な計画を立てておく必要があるのだ。以下では、アップグレード作業をよりスムーズなものにするうえで役に立つ10個のティップスを紹介する。
1:アップグレードパスがサポートされているかどうかを確認しておく
アップグレード計画を立てる前に、Microsoftがサポートしているアップグレードパスの確認をしておく必要がある。例えば、現在SQL Server 2005のEnterprise Edition(x64版)を稼働させている場合、SQL Server 2008 R2のStandard Editionにアップグレードすることはできない。この場合に取り得る選択肢は、SQL Server 2008 R2のEnterprise EditionかDatacenter Editionへのアップグレードのみである。
2:アップグレードアドバイザーを実行する
SQL Server 2008 R2 Feature Packに同梱されているアップグレードアドバイザーは、SQL Server 2008 R2へのアップグレードを支援するために作られた無償のユーティリティである。このツールは現時点におけるSQL Serverの配備状況を分析し、アップグレードを行う前に取り組んでおく必要のある問題点を通知してくれるようになっている。
3:「その他の問題」でパニックに陥らない
SQL Serverのアップグレードアドバイザーが生成するレポートにおいて、「アップグレードに関するその他の問題」という項目が表示される場合もある。この項目は、存在する可能性がありながらもアップグレードアドバイザーでは確認できないという問題を通知するためのものである。このため、該当項目が表示されている場合であっても、必ずしもあなたのネットワーク上に問題が存在しているということにはならない。