災害時だけでなく日常業務でも効果をもたらす情報共有--3つのポイント

山下竜大 2011年07月14日 20時25分

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 「3月11日に東日本大震災が発生したときの情報共有の一例として、携帯電話はまったくつながらなかったが、スマートフォンでTwitterにアクセスし安否確認できたという話をよく耳にしました。これは、たまたま個人レベルでの安否確認がそうであったということであり、これをそのまま企業の情報共有に活用するということは現実的ではありません」

 こう話すのは、ノークリサーチのシニアアナリストである岩上由高氏だ。ノークリサーチが5月に震災に関連する3つの調査を実施したところ、「すぐにスマートフォンを企業導入し、Twitterなどのウェブサービスを利用して、情報共有を実現したい」と回答したユーザー企業はそれほど多くないという。

 大手企業では、すでにパンデミック対策や在宅勤務を実現するための仕組みとして、デスクトップ仮想化などを導入しているところもある。この仕組みが今回の震災時における情報共有に役に立ったことも事実という。「しかしIT投資が絞られている中堅中小規模の企業では、災害時の情報共有だけに投資することは困難です」と岩上氏は言う。

 同社が中堅中小規模の企業向けに実施した調査の中で、「東日本大震災を踏まえて新たにIT投資を実施/検討する際に重視する事柄」という項目に対する回答では、「災害時のみならず、通常業務においても業績改善やコスト削減の効果を得るようにしたい」と考えている企業が42.9%でトップとなっている。

 災害時のみならず、通常業務においても業績改善やコスト削減の効果を得ることができるIT投資のポイントについて岩上氏は、大きく次の3つを挙げている。

1. ウェブ化されていて社外からアクセスできること

 ウェブ化されていることで、災害の発生時にあらゆる場所から情報共有ができることはもちろん、通常業務においても、データ入力のためだけにわざわざ会社に戻らなくても情報を共有することが可能になり、業務の生産性を向上することが可能になる。

 岩上氏は、「特に中堅中小規模の企業では、プレイングマネジャーが多いことから、外回りをしながら社内の承認作業を行わなければならない場合などに有効になります。この仕組みは、そのまま災害時の安否確認などにも有効利用できます」と話す。

2. 日常業務で利用されるツールであること

 グループウェアやスケジューラーなどの仕組みでも情報共有は可能だが、より業務に密接に関わっているツールであることが望ましいという。「いざというときには、普段は使わない特別に導入されたツールではなく、日ごろ使い慣れているツールが最も役に立つということは多くのユーザーが実感していることです」と岩上氏。

3. 利用する人数に関わらず効果を得られるツールを活用する

 大勢で利用して効果が得られるツールが前提では、中堅中小規模の企業や大企業の部門レベルでの導入が進まない。そこで少人数でも効果が得られる仕組みが重要になる。少人数での導入効果が高ければ、大企業における段階的な導入においても有効になる。

 「ウェブ対応されたデータベースを中心に、エンドユーザーが自由にインターフェースを作成でき、情報共有する仕組みが有効になります。日常業務でも使えるツールで、人数に関わらず情報共有の効果が得られるツールとして思い浮かぶのは、たとえばNotes/Dominoやdesknet's Enterprise Edition、ひびきSm@rtDBなどです」と岩上氏。

 こうしたツールを活用することで、たとえばシステムを短期間で構築し、インターフェースが使いにくいと思えば、エンドユーザーが容易に修正することもできる。エンドユーザー主体でシステム化することで、日常業務でも使われるようになる。

 岩上氏は、「業務に密着していることから少人数でも効果が得られ、みんなが使うようになります。みんなが使えば、使い慣れていることから、たとえば災害時の安否確認においても有効に機能することが期待できるのです」と話している。

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