IDC Japanは8月22日、2010年の国内コラボレーティブ/コンテンツアプリケーション市場の予測を発表した。同市場の2010年の市場規模は940億8800万円となり、前年比3.7%の成長となった。また、2010年〜2015年の年平均成長率(CAGR)は2.2%、2015年の市場規模は1047億3600万円と予測している。
同市場は、ウェブ会議やグループウェア、メールなどの「コラボレーティブアプリケーション市場」と、ECM(CMSを含む)、エンタープライズサーチ、ポータルソフトウェアなどの「コンテンツアプリケーション市場」で構成される。
コラボレーティブアプリケーション市場では、統合コラボレーティブ環境が2009年の大きな落ち込みから回復したことがプラス成長に寄与した。また、顧客にとって投資効果を理解しやすいチームコラボレーティブアプリケーションや会議アプリケーションが、国内の経済状況に依存せずに堅調だったと説明している。また、コンテンツアプリケーション市場でも、従業員同士の情報共有基盤の更新需要、ウェブコンテンツ管理やコンプライアンス対応といったソリューションが顧客の支持を得て、プラス成長に回復したと分析している。
一方、2011年の同市場は東日本大震災の影響を受け、前年比成長率マイナス3.7%、市場規模905億8100万円になると予測。2012年以降は、震災復興需要とリプレイスによって投資が回復し、緩やかな成長軌道に乗るとIDCではみている。また、機能市場ごとの内訳では「会議アプリケーション」「ソーシャルプラットフォーム」「検索およびディスカバリーソフトウェア」が成長率の高い分野として期待されるとしている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの冨永裕子氏は「国内コラボレーティブおよびコンテンツアプリケーション市場を堅調に成長させるためには、ベンダーは、顧客の事業継続性リスクに耐えうるコラボレーション基盤の提供とともに、既存のパッケージソフトウェアや関連ソリューションを補完するSaaS、ソーシャルメディア、モバイルテクノロジーといったコンシューマーITを事業ポートフォリオに取り入れ、ビジネスモデルを再構築することが必要だ」とコメントしている。