自動車部品メーカー大手のジヤトコは品質管理情報を可視化して現状を分析、解決策を提示するシステムとしてSaaS型ビジネスインテリジェンス(BI)「SAP BusinessObjects BI OnDemand」の本運用を開始した。11月15日に富士通が発表した。
ジヤトコは国内外に自社製造拠点を持つと同時に、サプライヤーと部品供給のサプライチェーンを構築している。拠点の海外進出が進み、納入部品の改善スピード向上が課題となっており、タイムリーな品質データ共有や管理図を使用した品質管理などをグローバルに実現できるITツールの導入を検討していた。
同社はグローバル拠点間の距離に関係なく、クラウド上でリアルタイムに情報を共有でき、短期間でシステムを立ち上げられることからBI OnDemandを評価し、採用を決めている。BI OnDemandのテナントを跨いだ情報共有機能を活用することで、サプライヤー1社あたりのコスト負担を小さくしつつ、グローバル拠点間をつなぐ情報システムを利用できることも採用のポイントだったとしている。
富士通は情報可視化のノウハウを適用するとともに、品質データや分析結果などを表示するダッシュボードをBI OnDemandでグローバルに構築した。ジヤトコとサプライヤーは、ネットを通じてグローバル拠点のどこからでも品質管理情報をリアルタイムにアップロード、参照できる。
管理図の管理特性値のバラツキ状態を決められたルールで警告するため、異常値がいつどのシフトやロットで発生したのか、どのような異常状態なのかといったコメントを共有して、瞬時に可視化する。異常の早期検知と対策実施、対策後の状態把握、継続した品質改善の取り組みと言った品質改善サイクルを加速できるとしている。ジヤトコは今後、サプライヤーにもBI OnDemandを順次展開していく。
BI OnDemandは富士通とSAPが日本語版を共同開発し、富士通が提供するSaaS型BI。ダッシュボードや情報分析、多次元自由分析、自由分析、レポート、情報共有などの機能を活用できる。