独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は12月20日、ネット利用者を対象に実施した「2011年度情報セキュリティの脅威に対する意識調査」の報告書を公開した。調査結果によると、スマートフォン利用者の約5割がウイルス感染による不正利用やデータの盗難・漏えいに不安を感じている一方で、約2割の利用者はウイルスの存在を知らないことが明らかになった。
不安要素の上位は「スマートフォン本体の紛失・盗難(64.4%)」「ウイルス感染による不正利用(55.3%)」「データ盗難・漏えい(52.3%)」となっており、いずれも前回(2010年10月)の調査より増加している。特に「ウイルス感染による不正利用」は、前回の39.5%から急増している。「感染の有無がわからない」との回答が14.5%あり、感染を認識していない利用者が存在する可能性もある。
自宅での無線LAN利用者が増加傾向にあるが、暗号化の実施率は約6割に留まり「暗号化を行っているかどうかわからない」という回答が31.5%に達した。
フィッシングなどの身近な脅威の認知度は高い一方で、大々的に報道された直後でも標的型攻撃の認知度は5割を下回った。初心者ではセキュリティへの関心が低いこと、セキュリティ対策未実施者が依然として存在することも明らかになっている。
調査は情報セキュリティに関する対策情報の発信、普及啓発などの活動に役立てることを目的としている。10月24~31日、15歳以上のPCでネットを利用するユーザーを対象にウェブアンケートで調査した。有効回答数は5240人。
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