通信販売大手のニッセンは大規模向けデータウェアハウス(DWH)「Teradata Active Enterprise Data Warehouse(Active EDW)5650」を導入し、SAS Instituteの分析プロセスをテラデータのDWH内部で稼働させる「SAS In-Database」を使った情報分析システムを2011年11月から稼働させている。日本テラデータが2月28日に発表した。
ニッセンは顧客や商品に関するデータを分析して、受注や配送、返品から欠品対応、損益計算などの業務に活用してきている。これまでのシステムは、データ量や分析リクエスト数の増加に伴い、システム性能低下を克服するためのレスポンス向上が課題になっていたという。
ニッセンは今回新たにActive EDW 5650を採用し、SAS In-Databaseを導入した。SAS In-Databaseは、分析するデータを移動する必要がなく、Teradataデータベース内で抽出、分析できるため、処理全体が大幅に効率化されるという。テラデータの超並列処理(MPP)による高い性能をフルに活用できるようになり、従来と比べて大幅な性能改善を実現できたとしている。実際のデータを使った導入前の検証テストでも分析時間が大幅に短縮できたという。
同社の分析システムは、多数の社員が顧客分析やキャンペーン管理などで日常的に利用している。テラデータのDWHは多数のプロセスを並列処理できるため、一度に大量の分析リクエストが発生した場合でも高い性能を維持でき、作業効率の改善とPDCAサイクルの迅速化、分析精度の向上が実現できるとしている。
現在ニッセンは3つの分析システムを利用しており、今回はメインで利用しているシステムをTeradataに移行している。今後はすべての分析システムをTeradataとSAS In-Databaseの組み合わせに移行して、現在別々に管理しているネットとカタログ販売のデータを統合することで、テラデータ製品を統合データ分析基盤として位置付けていく予定としている。