日立製作所は2月28日、クラウドサービスプラットフォーム「Cosminexus Version 9」の最新製品群を発表した。クラウド環境の可視化やビッグデータの活用を促進する製品が主で、月割従量ライセンスの提供も合わせて発表している。2月29日から順次販売する。
今回発表されたのは、PaaS上のシステムを管理する「uCosminexus Service Director」(52万5000円、5月31日出荷)、インメモリ型データグリッド製品の「uCosminexus Elastic Application Data store」(115万5000円、3月15日出荷)、SOA実行基盤の「uCosminexus Service Platform」(441万円、3月15日出荷)、アプリケーションサーバの「uCosminexus Application Server」(126万円、3月15日出荷)、Cosminexusの評価検証のための環境構築支援サービス「ミドルウェア評価環境サービス」(30日間無償、2月29日に提供開始)。
クラウド環境のシステム状況を可視化するuCosminexus Service Directorは、今回新たに製品群に加わったPaaS環境管理のためのソフトウェアだ。PaaS環境のシステム構成情報や仮想サーバへのシステムリソースの割り当て状況などを、あらかじめ用意された用途別テンプレート上で管理できる。日立では、システム構築やアプリケーション改修作業で把握すべきシステム状況を的確に「見える化」するとしている。テンプレートを基に仮想サーバの一括構築が可能で、効率的なシステム構築、改修が加納としており、テンプレートベースの仮想サーバ構築作業では、従来比で最大約70%の効率化を実現したという。
同じく新たに加わったuCosminexus Elastic Application Data storeは、ビッグデータの高速処理機能を提供する製品。データを複数のサーバのメモリ上で分散処理することで、高速かつ高信頼なデータ処理が可能になるとしている。インメモリでの分散処理によって高いパフォーマンスが得られるほか、データの分散や多重化によってシステムの“シングルポイント”を排除、処理の継続性を確保した。
また、日立独自の機能として、複数サーバにまたがる処理の履歴を関連づけて取得する障害解析トレースを提供。複雑なシステム構成においても容易な障害解析が可能だとしている。
日立ではCosminexus Version 9の提供とあわせて、Cosminexusの導入評価や検証のための環境構築を支援するミドルウェア評価環境サービスも新たに提供する。本サービスではアプリケーションサーバ、データベースサーバを搭載した導入評価および検証用マシンを30日間無償で貸し出し、短期間での環境構築を支援するという。
また、今回からクラウド事業者向けの月割従量制ライセンスを提供、初期投資を抑えた迅速な導入が可能だとしている。