立教大学が全学生2万5000人を対象とする教育プログラムを日本マイクロソフトと共同開発する。両社が5月28日に開催した記者会見で明らかにした。講座名は「立教型ビジネス講座」。論理的思考力やコミュニケーション力などのビジネスの現場で必要となるスキルと、Officeなどのソフトウェアを使いこなすスキルをeラーニングや座学を交えて学べる。日本マイクロソフトは、世界で活躍する人材の育成に貢献する一方、Windows Azureを基盤にした講座の提供やWindows 8の登場を見据えたクライアントPCを幅広い学生が使うことを意図している。
共同会見した日本マイクロソフトの樋口社長(右)と立教大学の吉岡知哉総長
立教大学は、日本マイクロソフトとIT環境の共同導入契約を締結。このIT環境はクラウドサービスであるWindows Azureを基盤にしている。同システム上で稼動するアプリケーションは、随時最新版へとアップグレードされる。
当初、学生は学内と自宅にあるWindows 7およびOffice Professional Plusの学習環境から、Windows Azure上にあるeラーニングコンテンツやSharePoint Online、Office 365、Lync Online、Exchange Onlineなどのアプリケーションを利用する。クライアント側のPCは日本マイクロソフトの準備ができた時点で、OS環境をWindows 8にリリースする予定だ。
日本マイクロソフトと立教大学は、クラウドを通じた教育環境の構築、スキル育成の支援、世界とのつながりを提携の3つの柱として位置づけた。樋口氏は「ここまでの広範囲の大学との連携は日本マイクロソフトとして初めて」と話し、日本マイクロソフトとしての取り組みの重要性を強調した。立教大学は、日本マイクロソフトが提供する教育機関向けライセンスプログラム「EES(Enrollment for Education Solutions)」を採用しており、これが協業の基盤になった。
なお、開発する講座の講師として日本マイクロソフトの「エース級」の人材が割り当てられているという。例えばテーマの1つ「考える技術、伝える技術~立教型ビジネス基礎講座」の講師をマイクロソフトのエバンジェリストで著書『エバンジェリスト養成講座』でも知られる西脇資哲氏が務める。