米Microsoftが6月6日(米国時間)、Windows Azureの新サービス「Windows Azure Spring Release」を発表した。新サービスの内容は、Linux仮想マシンの対応、PHPやMySQL、WordPressなどのOSSを使ったWebサイトの構築、PythonおよびJavaライブラリの追加など、ひと昔前のマイクロソフトではあまり考えられなかったようなオープン性を前面に押し出した更新である。背景にあるマイクロソフトの狙いは何か。
Windows Azure Spring Releaseで発表された主な変更点および強化点は以下の通りだ。
- IaaS機能の追加 … 仮想マシンにWindows ServerのほかLinuxイメージが利用可能に
- Windows Azure Webサイト … さまざまなオープンソースソフトウェアを使ったWebサイト構築
- 仮想ネットワーク … Windows Azure上で仮想プライベートネットワークのプロビジョニングや管理が可能に、オンプレミスからクラウドへのネットワーク拡張が容易に
- 各開発環境の強化 … PHPやNode.jsに加え、新たにPythonとJavaのライブラリを提供、LinuxやMac用にもWindows Azure SDKを提供
- SQLレポートの正式リリース
- ローカル冗長ストレージ
- インメモリキャッシュ
- Windows Azure Active Directoryの強化
- サービスバス、ストレージトランザクションの価格変更
- 段階的価格の導入
なお、現段階ではIaaS機能、Webサイト構築、仮想ネットワークに関してはCTP(Community Technology Preview)が開始した状態であり、正式リリースではない。また、今回のリリースから「Windows Azure Platform」「SQL Azure」という名称は廃止され、「Windows Azure」「SQLデータベース」に統一されることになる。さらに管理ポータル画面もより使いやすいUIの実現を考慮し、これまでのSilverlightベースからHTML5ベースの画面へと変えた。