オープン化するWindows Azure - (page 2)

五味明子

2012-06-11 18:47

 発表された新機能のなかで、ユーザーを驚かせたのがLinux仮想マシンをAzureから利用可能にしたIaaS機能の追加だ。Windows Server(2008 R2/2008 R2 with SQL Server 2012評価版/2012 RC)に加え、Linuxイメージとして「OpenSUSE 12.1」「CentOS-6.2」「Ubuntu 12.04」「SUSE Linux Enterprise Server 11 SP2」の4つのディストリビューションがAzure上から利用可能になっている。

 以前からマイクロソフトと提携関係にあったSUSEがラインナップにあるのは当然として、UbuntuとCentOSという、Linuxディストリビューションの中でも最も人気の高い2つを採用した点が非常に興味深い。

 Azure上にはあらかじめ各ディストリビューターが用意したLinux仮想マシンがプリコンフィギュレーションされており、ユーザーはごく簡単な操作で導入を完了できる。

 また、ASP.NETだけでなく、PHPやNode.jsといったオープンソースのフレームワークを使い、WordPressやJoomla!といったWebアプリケーションを簡単にクラウド上で展開できるようになった点も注目度が高い。

日本マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏
日本マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏

 データベースに関してもSQL ServerだけでなくMySQLが利用可能になっており、開発したアプリケーションはGitを使って配信できる。オープンソースを使ったWebサイト構築を全面支援する基盤に変わった印象が強い。日本マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏は「今回のリリースでは、Linuxもオープンソースもファーストシチズンとして扱っている」と語るが、まさしくその通りの厚遇ぶりだ。

 もっともマイクロソフトがAzureのオープンプラットフォーム化を図ったのは今回が最初ではない。例えば昨年12月にはApache Hadoop for Windows Azureを発表しているが、独自の分散処理技術「Dryad」を開発中止にし、Hadoopへの注力を表明したことも記憶に新しい。少しずつオープンソースとの親和性を高めようとするその姿勢の裏には、やはりクラウドプラットフォーマーとしてトップを走るAmazon Web Servicesへの対抗意識が見えてくる。

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