ちなみに、このフォーラムは東京都港区のコクヨホールで開催されたが、定員のおよそ300席はほぼ満席。来場者の熱心に聞き入る姿が印象に残った。多くの企業にとって今回のテーマが喫緊の課題となっていることを肌で感じる取材だった。
「世界で最も簡単に電力の見える化を行えるソリューションが、いよいよ日本に上陸してきた」
(大塚商会 後藤和彦 上席執行役員)
大塚商会が6月19日、中小規模のオフィスや店舗を主な対象に、電子機器の使用電力量を計測できるパッケージ製品「電力の見える化スターターパック」を発売した。後藤氏の発言は、その発表会見で、新製品投入の意義について語ったものである。

大塚商会 後藤和彦 上席執行役員
新製品は、無線機能を備えたスマートコンセント(スティング)4本と、パソコンに挿入してスマートコンセントからのデータを収集するUSB型デバイス(スティック)で構成され、スマートコンセントに計測したいパソコンやプリンタなどの電子機器をつなぎ、無線を介して使用電力データを収集する仕組みだ。
最大の特徴は、電気工事が不要で取り付けが簡単な点。設置後すぐに使用電力量の見える化が可能となる。価格も12万円と「非常に安く抑えた」(後藤氏)という。このほか、天井の証明に取り付ける埋め込み型デバイス(ステルス)を用いてより幅広い機器を対象にデータを計測したい場合や、デマンドコントロールまで行いたい場合には、デマンドコントローラとのセットモデルも用意している。
スマートコンセントなど今回の新製品群は、オランダのプラグワイズ社製を採用。同社はスマートコンセントの販売において、欧州で200社・15万台の実績があるという。
後藤氏は新製品の競合状況について、「さまざまな電力削減ソリューションを提供している当社として、以前から今回のような製品群を世界中で探していたが、ようやく見つけて日本で販売できるところまできた。日本は世界に比べてこの分野における安全基準が厳しく、海外の製品をそう簡単に日本で扱えないが、当社は電力系企業と連携することでそうしたハードルをクリアした。その意味でも同様のコストパフォーマンスを持つ競合製品は、すぐには現れないのではないか」との見方を示した。
大塚商会は今後、この新製品をすでに販売している電力制御システムなどと連携させていく計画だ。それもさることながら、いち早く手がけたLED照明といい、今回の新製品といい、目の付けどころとビジネスに仕立て上げる実行力はまさに同社ならでは、との印象だ。新製品の売れ行きに注目しておきたい。
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