セキュリティを脅かす3つのレポート--Black Hat 2012

Selena Frye (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2012-08-15 07:30

 この記事では、Black Hat 2012セキュリティカンファレンス(とDEFCON)を振り返り、デモやプレゼンテーションで説明された中で、もっとも恐ろしいと感じた攻撃方法を選んでみることにした。

近距離無線通信ハック

 NFCとしても知られるこの技術は、すぐ近くにあるスマートフォンや類似のデバイスが相互に通信できるようにするもので、データの交換や非接触型決済システムなどのトランザクションを可能にする。

 セキュリティ研究者のCharlie Miller氏は、標的となるスマートフォンに「ビームで送り込む」ことが可能なコードを作成して、Androidベースの「Nokia N9」とサムスンのスマートフォン「Nexus S」を攻撃することに成功した。このコードは、ドキュメントリーダー、ブラウザ、OSにあるさまざまな脆弱性を利用して、悪意のあるファイルやウェブページを開かせることができる。Ars Technicaの記事には次のように書かれている。

 NFCのコードそのものには悪用可能なバグがないとしても、Googleの開発者によって「Ice Cream Sadnwich」で追加された「Android Beam」と呼ばれる機能を使うことで、Miller氏は携帯電話のブラウザを強制的に開かせ、同氏が選んだ任意のウェブサイトをエンドユーザーの許可なしに表示させることができた。

 さらにMiller氏は、Linuxベースの「MeeGo」OSを動かしているNokia N9の設定にも問題を発見した。「MeeGoでは、デフォルトの設定がそのままになっていると、NFCリーダー経由で別のデバイスとその携帯の間にBluetoothペアを確立することができる。これは、Bluetoothがオフになっていても可能だ」

 Miller氏が指摘した、誰かが自分のスマートフォンの制御を乗っ取ることができるという可能性は、恐ろしいものだ。Miller氏は、NFCデバイスはまだ「クリティカルマス」に達しておらず、この問題が大きな脅威ではないことを認めたが、開発者やメーカーはこれらの脆弱性の修正に追われることになるだろう。今回のデモの標的はどちらもAndroidベースの端末だったが、NFCは将来「iPhone」や「Windows 8」でも採用されるとうわさされており、Miller氏の研究で発見されたこれらの問題は、一刻も早く修正されるべきだ。

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