クラウド活用を考える企業に「Windows Server 2012」を勧める理由--日本マイクロソフト藤本氏に聞く(前編)

聞き手:怒賀新也、構成:柴田克己 2012年10月05日 17時40分

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 マイクロソフトが、今後数年にわたる同社のビジネス戦略の核となる新たなサーバOS「Windows Server 2012」の提供を開始した。

 前版となる「Windows Server 2008 R2」より、約3年振りのバージョンアップとなる同OSでは、これまでの中小規模企業から大規模データセンターまでのあらゆるワークロードに対応するサーバOSとしての役割のみならず、プライベートクラウド、パブリッククラウド、そしてそれらを組み合わせたハイブリッドクラウドへの展開を考慮した「クラウド対応OS」としてのポテンシャルが強調されている。

 同社の発表によれば、Windows Server 2012では、前版に比べて、180以上の新機能の実装、および機能強化が行われているという。「国内では74万台のマイグレーション需要が見込まれる」という新たなWindows Serverで、同社が多くの企業ユーザーに示したい、具体的な「マイグレーションのメリット」とは何なのだろうか。

集約率を高めクラウドへの展開を容易にする新たな「Hyper-V」

 企業情報システム全体のアーキテクチャを考える際に、もはや「クラウド」の存在を無視することはできない。クラウドは、企業が業務を展開していくにあたり必要となるコンピュータリソースを、いかに合理的に調達するかを検討する際の、現実的な選択肢となった。

日本マイクロソフト、サーバプラットフォームビジネス本部Windows Server製品部マネージャーの藤本浩司氏
日本マイクロソフト、サーバプラットフォームビジネス本部Windows Server製品部マネージャーの藤本浩司氏

 旧来のように「1つのワークロード」に対して「1つの物理サーバ」を資産として購入するのではなく、ハイパフォーマンスなサーバに社内のリソースを集約し、ユーザーの要求に応じて柔軟に分配する「プライベートクラウド」、社外のリソースをサービスとして利用する「パブリッククラウド」、これらを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」を、企業としてどう活用できるかが、ビジネス環境の変化への対応力を高め、ITコストを合理化するためのカギとなっている。

 「ここ1~2年のお客様とのディスカッションの中で、今後、社内システムの一部をクラウドへ移行していこうと考えている企業が急速に増えていると感じている」と話すのは、日本マイクロソフト、サーバプラットフォームビジネス本部Windows Server製品部マネージャーの藤本浩司氏だ。

 「しかし、日本企業特有の問題かもしれないが、現時点では、まだまだ社内に部門ごとにサイロ化したサーバが乱立している企業も多いようだ。クラウドへの移行を目指すにあたって、まずそうした企業が取り組まなければならないのは、どれだけのサーバが社内にあり、どのような形で利用され、管理されているのかを把握することだ。そして、次の段階でそれらを集約していくことになる。実態の把握と集約が実現して初めて、どの部分をクラウドへ移行していくべきかの判断ができる。この『集約』と『クラウドへの展開』のフェーズで、Windows Server 2012が提供する新たな機能が生きてくるケースは多いだろう」(藤本氏)

 カギとなるのは、Windowsの仮想化機構である新しい「Hyper-V」だ。Windows Server 2012と共に提供されるHyper-Vでは、最大320基の論理プロセッサ、4Tバイトの物理メモリをサポートする。ハイパーバイザとしての機能が大幅に強化されたことで、物理リソースのより効果的な活用が可能になっており、強化された仮想ハードディスク機能(VHDX)や、仮想ネットワークスイッチ機能との組み合わせで、より幅広い仮想化環境への要求に応えられるとしている。

 この新しいHyper-Vによって得られる大きなメリットのひとつは「高い集約率」の実現だと藤本氏は言う。

 「Hyper-Vのコアが強化されることで、近年、価格性能比の向上が著しい物理サーバのマルチコアCPUや大容量メモリを、よりインテリジェントに各ワークロードに配分することが可能となった。IT投資の合理化の視点でクラウドを検討する場合、仮想化によって集約率が高まっており、かつ、それぞれのワークロードが消費しているリソースを把握できることが重要になる」(藤本氏)

サイロ化したサーバの「集約」が重要

 パブリッククラウドは、基本的に利用期間と利用するリソース量に応じた従量課金の世界だ。自社のシステム上で動いているタスクのうち、どの部分をクラウド化すべきかを考えるにあたって、どのタスクが、現状どれだけの社内リソースを使って稼働しているかを把握することは必須となる。そのためにも、まずはサイロ化したサーバの「集約」が重要なのだ。

 「Windows Server 2012では、(仮想インスタンス数が無制限の)Datacenter Editionについても、ライセンス価格については前版からそのまま据え置いた。この決定を喜んでくれたお客様の多くは、クラウドを見据えたサーバ集約が順調に進んでいるお客様だ。より集約率が高められる新しいHyper-Vは、そうしたユーザーにとっては特にメリットが大きいだろう」(藤本氏)

 Windows Server 2012のHyper-Vでは、仮想マシンのレプリカ作成と管理の機能も強化されている。集約された仮想サーバについては、他の物理サーバや、パブリッククラウドであるWindows Azure、さらにはパートナーが提供するWindows Serverのホスティングサービスへと「ほぼそのまま」の状態で移動し、シームレスに管理できる環境も整備していくという。

 「マイクロソフトとしては、もはやオンプレミスに対してこだわりはない。現在のミッションは、クラウドを見据えた集約を進めたいと考える顧客とともに『いかに集約を進めるか』『どういった業務やタスクをクラウドへ移行すれば、より使い勝手が良く、コスト対効果の高い環境ができるか』を考え、その実現をサポートすることにある」(藤本氏)

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