Ultrabookが発売されてから約1年を経過した。
積極的なテレビCMの効果もあり、世の中には徐々にUltrabookの名前が浸透しはじめているが、ノートPC市場全体に占める構成比は約1割とまだ低い。しかし、Windows 8の発売を境に、様々な形状のUltrabookが登場。Windows 8搭載PCという新たな市場をリードしはじめている。
インテルの吉田和正社長は、「Windows 8の発売によって、Ultrabookに対する注目がさらに高まっている」と、その手応えを口にする。
各界のエグゼクティブに価値創造のヒントを聞く連載「ZDNet Japan トップインタビュー」。吉田社長にUltrabookについて話を聞いた。
--Ultrabookの登場から1年を経過しましたね
私自身、この1年の取り組みには強い手応えを持っています。
確かにノートPC全体に占める構成比はまだ低く、当初、私が抱いた大きな期待値からも下回ってはいますが、PCメーカー各社のそれぞれの製品戦略のなかで、Ultrabookが少しずつラインアップを広げ、線から面への展開へと広がってきた。インテルとパートナーが「両想い」でUltrabookに取り組む体制が、確実に整ってきたといえます。
--そもそもインテルがUltrabookの規格を提案した理由はなんですか
確かに、なぜインテルのような会社が、Ultrabookのようなスペックを提案するのかという指摘があります。しかし、もしUltrabookの提案がなかったら、いまのPC市場はどうだったか。その点では、UltrabookはPC市場の活性化に大きく貢献したといえます。
これはインテルの方針でもあるのですが、インテルは単にCPUを提供するベンダーではなく、新たなライフスタイルやワークスタイルを提案し、それに向けてパートナーとともに市場を創造していく役割を担いたいと考えています。かつては無線LANを活用してモバイル環境でのPC利用を提案する「Centrino」を打ち出し、これがいまやPCの標準的な利用シーンとなっています。当時は、なかなかこの利用シーンが理解されなかった。
Ultrabookも新たなPCのフォームファクターを提案したものだといえます。