日本ヒューレット・パッカード(HP)は12月19日、データウェアハウス(DWH)向けに特化したリアルタイム分析データベース(DB)ソフトウェアの新版「HP Vertica Analytics Platform 6.1」の販売を開始した。ソフトウェア事業部門にVertica事業本部を設立したことも発表している。
VerticaはDBの列(カラム)ごとに処理するカラム指向のDBエンジンを搭載しており、ディスクI/Oとメモリ量を削減して、分析速度の向上を目指している。独自のデータ圧縮機能で既存のDWHに比べて50~90%のデータを圧縮でき、物理ストレージの容量削減にも貢献するという。
シェアードナッシング方式での超並列アーキテクチャに対応するVerticaは、Linuxをインストールした業界標準のx86サーバを並列に接続するだけでリニアに性能を拡張できる。容量課金のライセンスモデルとなっており、ノードを追加してもライセンス料は発生しない。各サーバノードに最大2つの複製を保持でき、サーバノードがダウンした場合でも、継続してサービスを実行できる。
Vertica Analytics Platform 6.1は、分析関数が強化され、性能も改善されているという。分散並列処理フレームワークの「Apache Hadoop」と統合では、Hadoop上のHDFS上に配置されたファイルを直接読みこめるようになっている。IaaS「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」への配備も簡素化されている。
DBのチューニングを自動化するツール「Database Designer」も提供される。対話形式の操作画面で、最適なデータ圧縮や列の並び替えなどが自動化され、検索を高速化できる。定型検索に最適なデータ配置を追加で作成でき、システム管理者の運用負荷を軽減できるという。
1Tバイトまでの3ノードに限定して試用できるコミュニティ版はライセンスフリーも提供される。企業向けのエンタープライズ版の参考価格は、ロードする前のデータが1~10Tバイトで1Tバイトあたり882万円。今回は、スターターキットも提供される。最小構成価格は1048万9500円。スターターキットはブレードサーバ「HP BladeSystem c3000」とMicroStrategyのビジネスインテリジェンス(BI)ツールがバンドルされている。