IDC Japanは2月28日、国内の中堅中小企業向けIT市場に関する2013年から2016年の見通しの予測を発表した。
これによると、2013年の国内中堅中小企業(従業員規模1000人未満)のIT市場は、復興需要が本格化しているものの、依然として地域経済の回復が遅れていること、2012年のハードウェア更新需要の反動などの影響により、市場規模は3兆4896億円にとどまる。前年比成長率マイナス0.4%のマイナス成長を予測した。
国内中堅中小企業IT市場 産業分野別前年比成長率予測: 2012年~2016年
製品別では、中堅企業(従業員規模が500~999人)を中心にソフトウェア、ITサービスの分野で2013年以降プラス成長を見込む。
産業分野別では、2012年に金融と建設/土木を含むその他分野を除いてプラス成長に回復したが、2013年は情報サービス業を除いた各産業でマイナス成長を予測した。情報サービス業は、インターネットサービス事業を中心に積極的なIT支出を継続しており、堅調な拡大を予想。インターネットサービス以外の産業では、2014年までマイナス成長が継続するという。
地域別でも2013年は多くの地域でマイナス成長を予測するものの、北海道/東北地方、関東地方ではプラス成長を見込む。特に北海道/東北地方は、復興需要の拡大、大手企業の拠点設置などによって中堅中小企業においてもIT支出が拡大する模様。関東地方は情報サービス業が集積していることから、これらの企業が関東地方のIT支出をけん引するという。
今後は、消費税増税、新政権による経済政策、新たな中堅中小企業向け支援施策によって、ユーザー企業を取り巻く環境が変わりつつあるとのこと。IDC Japan ITスペンディング シニアマーケットアナリストの市村仁氏は「ITベンダーは、消費税増税など環境の変化が中堅中小企業に与える影響を注視し、この変化を機会と捉え、業務システム改修、刷新の他求められるソリューションを迅速に提供することが、今後のビジネス拡大に重要である」とコメントを寄せた。