アイ・ティ・アール(ITR)は3月14日、市場調査レポート「ITR Market View:DBMS/BI市場2013」を発刊した。DBMS(RDBMS、DBMSアプライアンス)、BI(ETL、データ分析/レポーティング、DWH用DBMS、データマイニング、テキストマイニング)、帳票作成運用を対象とし、国内39ベンダーへの調査をベースにしている。
2011年度の市場規模を最も大きく伸ばしたのが、DWH用DBMS市場。前年度比37.8%増の22億4000万円(パッケージライセンス出荷金額ベース)。SAPの伸びによるところが大きいと説明。2012年度も同市場は31.7%増と引き続き大きな伸びを維持すると予測している。
DBMSとハードウェアをセットにしたDBMSアプライアンス市場は、2011年度が21.1%増であり、2012年度は37.4%増を予測している。Teradata、Oracle、IBMの主要3社が先行している。加えて、2012年度から国産ベンダーも製品を投入し、参入ベンダーが増加している。2011~2016年度の年平均成長率(CAGR)は26.7%で推移すると予測。高い伸びで市場が拡大するとともに、混戦に向かうと予測している。同社の生熊清司氏(シニア・アナリスト)が以下のようにコメントしている。
「新たなビジネスチャンスを得るために分析系のアプリケーションでDBMSの利用が拡大している。今後は、データ管理コストの増加が問題視されることが想定され、現在注目を浴びているDBMSアプライアンスだけでなく、OSS、HadoopなどのNoSQL、さらにはDBaaS(Database as a Service)も含めた検討機会が増えるだろう」

DBMSアプライアンス市場規模の推移(2012年度以降は予測、出典:ITR)
RDBMS市場は2010~2012年度にOracleがトップを維持しているが、Microsoftも小差に迫っている。ETL市場は、2011年度が前年度比4.1%増、2012年度が若干上向きになると予測、IBMがトップシェアを維持している。データ分析/レポーティング市場は2011年度が前年度比11.0%増、2012年度はやや減速するとしている。
データマイニング市場はIBMが高い市場を維持しており、2011年度は前年度比8.9%増、2012年度も堅調と説明している。テキストマイニング市場は、ソーシャルメディア分析用途が拡大し、2011年度と2012年度は続けて10%以上の伸びと説明。帳票作成運用市場では、ウイングアークが市場をけん引、2011年度は10%増、2012年度も堅調な伸びが期待できるとしている。