日本IBMは2月14日、ミドルウェアを統合した垂直統合型システム「PureApplication System」にRISCプロセッサ「POWER7+」を搭載した新製品「IBM PureApplication System W1700」を発表した。2月28日から提供する。
日本IBMが提供する垂直統合型システム「PureSystems」はサーバやストレージ、ネットワークなどのハードウェアとOSを統合して提供する。PureSystemsを構成するPureApplicationは、アプリケーションサーバやリレーショナルデータベースなどミドルウェアも統合している。もうひとつの「PureFlex System」がIaaS環境を構築し、PureApplicationはPaaS環境を構築するとも表現できる。
PureApplication System W1700
PureData System for Analytics N2001
今回発表されたPureApplication W1700は、サーバにPOWER7+を搭載。1コアあたり最大20台の仮想サーバを稼働させられるという。PureApplication W1700に採用されている仮想化技術の「PowerVM」は、サーバの仮想化をハードウェアで実現している。
従来から提供しているPureApplication W1500では新たにエントリモデルを追加して、1月から提供している。エントリモデルは、搭載プロセッサのコア数に応じた2種類のモデルがあり、ユーザー企業は32コアか64コアのいずれかを選択できる。96以上のコアを搭載できる現行モデルの42U(高さ201.5cm)に対して、新モデルのラックサイズは25U(高さ126.7cm)となり、消費電力も約30%削減できるという。
同社は、ビッグデータを処理するための垂直統合型システムの新ハイエンドモデルとして「IBM PureData System for Analytics N2001」を追加、2月1日から提供していることも発表している。PureDataもPureSystemsに含まれる。PureData Analyticsは、データウェアハウス(DWH)向けに最適化されている。
新ハイエンドモデルであるPureData Analytics N2001は、IBMが買収したDWHアプライアンスを提供していたNetezzaの技術をベースに、プロセッサやメモリ、ハードディスクドライブ、圧縮データの解凍、データベース処理を高速に展開する集積回路など各種技術の性能を向上させている。1ラックあたりのユーザーデータ領域も既存モデルの1.5倍に拡張されている。PureData Analyticsでは、データ処理機能の一部を、書き換え可能なLSIである「FPGA(Field Programmable Gate Array)」に実装している。