菊正宗酒造は基幹業務システムとネットショップの帳票基盤を総合帳票基盤ソフトウェア「SVF(Super Visual Formade)」とプリンタ制御ソフトウェア「RDE(Report Director Enterprise)」で刷新した。ソフトウェアを提供するウイングアークが7月24日に発表した。
菊正宗酒造では、基幹業務システムの一つである受注出荷システムをメインフレーム環境で構築していた。しかし、取り扱う商品が酒類や食品、化粧品などに多様化し、これに伴い販売チャネルが卸売りや量販店、ネットショップなど多岐にわたるようになったため、メインフレームのみでは顧客や市場の変化に柔軟に対応することが困難になった。この事態に対応するため、同社は2010年4月から2年間で基幹業務システムを全面的にオープン化し、データを連携するネットショップとともに、帳票出力基盤をSVFとRDEに刷新した。
今回、開発に要した時間は基幹業務システムの帳票開発は1カ月程度、ネットショップで1~2カ月程度だった。基幹業務システムの帳票出力基盤を導入したことにより、帳票や一覧表などの印刷スピードが上がったという。
また、印刷時にトラブルが発生した場合も、プリンタの状況確認や再印刷の作業が素早く対応できる点や、本番稼働後もシステムが止まらないという信頼性が評価されている。また、各部門の担当者が必要なときに帳票を印刷できるので、システム管理者の作業負荷が軽減できるほか、必要なページだけを印刷できるためコスト削減にもなるという。
ネットショップでは、直営サイトや楽天市場、従業員向け販売サイトの各サイトからデータベースにデータを取り込み、基幹業務システムと同じSVFの帳票基盤を利用して明細書やピッキングリストなどを出力している。
文字の出力状態を帳票作成時点でプレビューしてチェックできる点や、キャンペーン時のデザイン変更などの開発が容易である点が評価されている。また、基幹業務システムと共通の帳票出力基盤を構築し、効率化を図る。