IBM、セキュリティ企業Trusteerを買収へ--サイバーセキュリティラボを設立へ

Charlie Osborne (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2013-08-16 08:34

 IBMがセキュリティ企業Trusteerの買収を発表した。これは、モバイルおよびアプリケーションセキュリティ、詐欺対策、マルウェア検出を対象とするセキュリティラボ設立に向けた取り組みの一環である。


 IBMは米国時間8月15日、Trusteer買収に向けた正式契約に入ったことを明らかにした。Trusteerは、企業ネットワーク、携帯端末、ウェブアプリケーションのサイバー犯罪からの保護を専門とする企業である。

 Trusteerは2006年創設の非公開企業で、マサチューセッツ州ボストンとイスラエルのテルアビブを拠点としている。米国の大手銀行10行のうちの7行、英国の大手銀行10行のうちの9行が、金融詐欺からの保護を目的に、Trusteerのソフトウェアを利用してマルウェアをスキャンしている。同社は、従来のセキュリティソフトウェアが見落としてしまう可能性のある問題を検出することに焦点を当てているという。

 今回の買収に伴い、TrusteerのセキュリティソリューションがIBMの現在のポートフォリオに追加される。Trusteerを獲得することで、IBMにおける詐欺行為に対する保護、アドバンスドパーシスタントスレット(APT)攻撃に対する保護、ゼロデイ脆弱性、エンドポイントセキュリティ、脅威インテリジェンスサービスが強化されるとIBMは述べた。

 買収の金銭的条件は公表されていない。

 Trusteerの最高経営責任者(CEO)を務めるMickey Boodaei氏は、「組織がデータを保護するための方法は目まぐるしく進化している」と述べた。「攻撃がさらに巧妙になるにつれ、エンタープライズおよびモバイルデータを保護するための従来の手法はもはや有効ではない。Trusteerは、インテリジェンス、クラウド、モバイル、デスクトップ技術を組み合わせた革新的なソリューションを駆使し、世界中の数百社もの大手銀行や組織が多数の巧妙な攻撃に打ち勝つ支援をしてきた」(Boodaei氏)

 今回の発表の中でIBMは、イスラエルにサイバーセキュリティソフトェアラボを設立し、TrusteerとIBMの200人の研究者および開発者からなるセキュリティチームを結成する計画であると述べた。このラボは、「モバイルおよびアプリケーションセキュリティ、アドバンスドスレット、マルウェア、詐欺対策、金融犯罪」を対象とするソリューションの構築に取り組む予定だという。

 買収は2013年第3四半期に完了する見込みだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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