日本企業の海外ITサービス支出拡大、課題はITガバナンス--IDC調査

山田竜司 (編集部)

2013-09-11 14:31

 IDC Japan は9月11日、日本に本社を置く企業(Japan-originated Company:JOC)の海外ITサービス支出の予測を発表した。2012年の同支出実績は54億900万ドル、2013年以降もアジアを中心に成長する見込みという。

 国内経済の低成長や、新興国市場の成長を受け、JOCの海外進出は拡大している。特にASEAN、中国といったアジア新興国市場への進出は急激に進んでおり、IDCが海外進出を行っている企業206社に対して行ったアンケート調査によると、市場機会、生産拠点としてASEAN、中国は今後の注力地域となっているという。「JOCの海外進出拡大に伴い、JOC業の海外オペレーションを支えるIT、ITサービス支出が成長している」(IDC)


2011~2017年国内企業の海外ITサービス支出額予測(IDC提供)

 IDCは、2012年には54億900万ドルであったJOCの海外ITサービス支出は、2017年には69億6400万ドルになると予測する。2012~2017年の年平均成長率は5.2%と、同じ時期に1%台の低成長となる国内のITサービス支出と比べて高い。この市場の拡大をけん引するのは、ASEAN、中国といったアジア太平洋の地域であるという。2012年において同地域がJOCの海外ITサービス支出額全体に占める割合は53.0%であったが、2017年には57.7%にまで拡大する見込みであるとした。

 JOCの海外ITサービス支出は拡大するが、その過程でITガバナンスが課題になるという。IDCが行った調査でも、特に海外進出の中期段階(海外売上高10~60%)の企業で、本社の把握していない海外IT予算がある、と回答した企業の割合が高いという結果が出た。

 IDC は「海外進出する企業は、海外進出の全段階を通じ、グローバルに展開するITガバナンスへの意識を強く持ち続ける必要がある」とコメントしている。

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