さまざまな業種・業態で活用が進む
日本では7月10日からセールスを開始したばかりだが、米国や欧州などではすでに導入事例がある。そのいくつかをシュワルツホフ氏に紹介してもらった。
例えば、ある米国の医療機関のケースでは、XenMobileを使って医師が外出先や自宅などから患者の情報にアクセスできるようにしたという。もともと病院内ではシンクライアントで使っているシステムを、モバイルにも対応させたのである。主治医が不在のときに患者の容態が急変した場合でも、過去のカルテなどを元に迅速な対応が可能だ。
「医師には、場所や端末を問わず、またあらゆるアプリケーションに対応しないといけない、というニーズがあります。病院としても、それをサポートしないといけないと考え、導入したのです」(Schwarzhoff氏) また、マットレスを販売する企業は、店での小売り、倉庫からの出荷、商品配送、そしてバックオフィスという、4つのビジネス機能のすべてをXenMobileでモバイル化しているとのことだ。
「店舗ではPOSやビデオ教育、倉庫では在庫情報や積み荷の指示、配送ではGPSを使った配送先案内、バックオフィスではセキュリティやSaaS活用といった具合に、すべてのビジネスユニットにおいてそれぞれ異なった目的で、XenMobileおよびXenDesktopが、必要なアプリケーションへのアクセスを可能にしています。新たにモバイルが使えるようになったため、各ビジネスユニットで業務を見直すことができるようになりました」(同氏)
石油およびガスの開発を手掛ける企業でも、現場での業務と本社業務の両面でXenMobileが活用されているという。 「この会社の現場、すなわち油井やガス井ではインターネット接続ができない場所もあるので、ネイティブアプリを使って情報の入力・参照をオフラインでも可能にしたのです。コーポレートでは、セキュアにメールをしたり大容量のファイルを共有するなどに役立っています」(同氏)
いずれも、これまでXenApp、XenDesktop、NetScalerなどを使ってきたユーザーが、モバイル化することで事業をさらに強化できると判断し、自然な流れでXenMobileの導入に踏み切った例だ。