3つめのIoEについては、3つのステップを踏んで実現を目指していくという。第1段階は全産業でスイッチやWi-Fiを広げていく取り組みである「アクセスの広がり」、第2段階は、自動車やエネルギー業界などでM2Mやスマートファクトリシステムを提供する「IoTシステム」の段階、第3段階は、交通機関や公共機関、スマートシティなどの分野をにする「IoTソリューション」の段階になるという。
これら3つテーマを包含するような統合セキュリティも提供していく。分野としては、クラウド(マルウェアのレピュテーションやサイバー攻撃の分析など)、ネットワーク(ファイアウォール、VPN、IPS/IDS、ルータ、スイッチなど)、ポリシー一元管理(ID管理、アプリケーション管理、デバイス管理など)の3つに分けて、製品やソリューションを展開するという。
Cisco Systems サービスプロバイダー ネットワーキンググループ シニアバイスプレレジデント兼ゼネラルマネージャー Surya Panditi氏
シスコシステムズ 専務執行役員 テクノロジーソリューション&アーキテクチャ統括 木下剛氏
事業戦略説明会では、こうした平井氏の説明を受けて、米Ciscoのサービスプロバイダー ネットワーキンググループのシニアバイスプレレジデント兼ゼネラルマネージャーであるSurya Panditi氏と、シスコシステムズ 専務執行役員 テクノロジーソリューション&アーキテクチャ統括の木下剛氏が、ネットワーク戦略とアーキテクチャ戦略を解説した。
Panditi氏は、9月発表したIoE向けの新製品ファミリー「Network Convergence System(NCS)」を解説した。NCSは、高度な仮想化機能とブログラマブルなブロセッサを備えたことが特徴で、帯域幅の柔軟な拡張や管理の容易性により、モノによって生み出される膨大なイベントを処理できるようになるという。すでにBSkyBのビデオサービス、KDDIのクラウドサービス、豪通信会社Telstraのビジネスサービスなどに導入されているという。
木下氏はアークテクチャ戦略として、次世代のSDNソリューションである「Application Centric Intelligent Network(App Centric)」の構築に取り組んでいることを紹介した。App Centricは、アプリケーションレイヤからの自動化の実現を目指すもので、セキュリティと一体となったプラットフォームになるという。
シスコでは、提供する製品群のアーキテクチャとして、ハードウェア製品群をネットワークシステムのレイヤ、OSやAPIなどをプラットフォームのレイヤとし、そのうえにアプリケーションというレイヤを設けている。「真のSDNとして、ネットワークとアプリケーションがリアルタイムに連携できるようにすることを目指すもの」(木下氏)
現在のSDNで考慮されていないセキュリティに関しては、“Platform Exchange GRID(pxGRID)”と呼ばれる仕組みを構想していることも紹介した。pxGRIDは、「Cisco Identity Services Engine(ISE)」を使って、脅威情報に対するレピュテーション要求、アプリケーション情報の認証要求、位置情報要求などを実行できるようにするものとしている。