ノークリサーチは10月28日、Windows XPのサポート終了伴うクライアントPC刷新に関連するIT商材の更新や刷新の調査結果を発表した。Windows XPからの移行が済んでいる企業は、業務システム刷新やスマートデバイスの活用などの意向が強いことが分かった。調査ではITベンダー向けにWindows XPからの移行に伴ってユーザー企業が検討しやすいIT商材を取り上げている。
以下のグラフはWindows XPからの移行を実施済みか実施予定の年商500億円未満の中堅中小企業に、移行とあわせて実施済みか実施する予定の事柄を聞いたものだ(複数回答)。
「XP対策と併せて実施済みまたは実施予定の事柄」(複数回答)
Windows XPからの移行に伴って訴求が有望なIT商材としては「PC内にインストールする業務システム」(51.2%)、「PC内にインストールする運用管理システム」(45.3%)に回答が集まった。また、年商規模が大きくなると「クライアント/サーバ形態システムにおけるサーバ側のハードウェアやソフトウェア」を挙げる割合がやや高くなったという。
「XP対策と併せて実施済みまたは実施予定の事柄」(複数回答)
Windows XPからの移行について「すでに対策を実施中または実施済みである」「計画は立てているが、実施に至っていない」という状況にあるユーザー企業に分けてすると、移行済みのユーザー企業では「PC内にインストールする業務システムも更新/刷新す る」割合が高いことが明らかになっている。
ノークリサーチは「新OSは業務改善の効果が期待できる機能アップも多数含まれる。ハードとソフトの更新サイクルを一致させ、運用管理の負担を軽減する点でも有効」であると提言している。「実施済み」と比べ、「計画中」と回答したユーザー企業では「スマートデバイスを今後活用する予定である」の回答割合が高い。
以下のグラフはWindows XPからの移行に関し「実施済み」および「計画中」のユーザー企業に、スマートデバイスの活用意向をたずねた結果だ。
スマートデバイス の活用状況
ノークリサーチは、ノートPC持ち出しには紛失時のリスク対策として高価なデータ保護などの対処が望ましと解説。社内向けPCを安価に抑え、社外についてはスマートデバイスの利用や、秘匿性の低い情報の共有向けに私物端末の業務利用(BYOD)の適用も考えられると説明する。
モバイルデバイスに対応していないケースもあり、社外で利用する端末をすべてスマートデバイスにするなどの変更は避けた方が無難と指摘した。
調査は7月に年商500億円以下のシステム担当者758人を対象にした。