統計数理研究所が「データ同化スーパーコンピュータシステム」を構築へ

山田竜司 (編集部)

2013-11-18 13:58

 統計数理研究所はデータ研究のための計算基盤として「データ同化スーパーコンピュータシステム」を構築、2014年の7~9月(第2四半期)に稼働開始する。製品や技術を提供する日本SGIが11月18日に明らかにした。

 データ同化は、気象学や海洋学など地球科学の分野において、膨大で多様な観測、計測データと高度なシミュレーションモデルを統合して実際の現象を再現するためのデータを中心とする科学の要素技術だ。

 データ同化計算を実施するコンピュータシステムには、さまざまな分野で開発されたシミュレーションモデルがプラグインされ、統計的データ解析用プログラムの開発が容易な開発環境や大規模なアプリケーションの実行に必要なメモリ性能が求められるという。

 新たなデータ同化スーパーコンピュータシステムとして導入される「SGI UV 2000」は、2560コア、64Tバイトの共有メモリを搭載、単一のOSで稼動するコンピュータとしては巨大な共有メモリ型サーバとなる。

 今回、SGI UV 2000が2台導入され、合計5120コア、128Tバイトメモリの大規模計算機環境が構築される。水冷方式の冷却システムを採用し、省エネルギーにも配慮したシステムという。そのほか、システム管理用の「SGI UV 20」、クラスター型分散メモリシステムとしてインテルのXeon Phi コプロセッサーを搭載した「SGI Rackable Standard-Depth Server」や、外部記憶装置にはSASとSSD併せて816Tバイトの物理容量を持つ大規模なストレージシステムが導入される予定。

 同システムは、全国の主要な大学・研究機関が保有するスーパーコンピュータを高速ネットワークで結んだ共同計算環境「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ」(HPCI)の計算資源としても提供される予定。

 統計数理研究所では、研究者による計算規模の増大や、共同利用件数の増加による共同研究者の計算機使用時間の増加などに対応するために、コンピュータシステムを増強している。

Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookTwitterRSSメールマガジンでも情報を配信しています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]