統計数理研究所はデータ研究のための計算基盤として「データ同化スーパーコンピュータシステム」を構築、2014年の7~9月(第2四半期)に稼働開始する。製品や技術を提供する日本SGIが11月18日に明らかにした。
データ同化は、気象学や海洋学など地球科学の分野において、膨大で多様な観測、計測データと高度なシミュレーションモデルを統合して実際の現象を再現するためのデータを中心とする科学の要素技術だ。
データ同化計算を実施するコンピュータシステムには、さまざまな分野で開発されたシミュレーションモデルがプラグインされ、統計的データ解析用プログラムの開発が容易な開発環境や大規模なアプリケーションの実行に必要なメモリ性能が求められるという。
新たなデータ同化スーパーコンピュータシステムとして導入される「SGI UV 2000」は、2560コア、64Tバイトの共有メモリを搭載、単一のOSで稼動するコンピュータとしては巨大な共有メモリ型サーバとなる。
今回、SGI UV 2000が2台導入され、合計5120コア、128Tバイトメモリの大規模計算機環境が構築される。水冷方式の冷却システムを採用し、省エネルギーにも配慮したシステムという。そのほか、システム管理用の「SGI UV 20」、クラスター型分散メモリシステムとしてインテルのXeon Phi コプロセッサーを搭載した「SGI Rackable Standard-Depth Server」や、外部記憶装置にはSASとSSD併せて816Tバイトの物理容量を持つ大規模なストレージシステムが導入される予定。
同システムは、全国の主要な大学・研究機関が保有するスーパーコンピュータを高速ネットワークで結んだ共同計算環境「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ」(HPCI)の計算資源としても提供される予定。
統計数理研究所では、研究者による計算規模の増大や、共同利用件数の増加による共同研究者の計算機使用時間の増加などに対応するために、コンピュータシステムを増強している。
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