「今から10年後には、スマートフォンの代わりに、眼球に直接埋め込まれ、脳に直結したディスプレイが使われるようになる」
このように語ったのは、Googleで東南アジア戦略パートナーシップを担当するSergio Salvador氏だ。バンコクで開催されたイベント「Capacity Asia 2013」でのことだ。
Salvador氏は、コンテンツサービスについてのパネルセッションで、今後10年間の通信事業について、Googleが持つ見通しを聞かれ、「月ロケット打ち上げ」並みに驚くべき答えを返した。
「今から10年後には、デバイスを持って歩くことはなくなり、その代わりに、目の中にインプラントしたディスプレイを使うようになるでしょう。あらゆる情報が音声と動画で提供され、文字を読むこともなくなります。そして、脳に直接情報をつなぐ技術が、実用化され始めるでしょう」
同氏はこのように語る一方、そのような変化がわずか10年では実現しない可能性も認めた。「しかし、できるだけ高いところを狙っておかなければ、時間を無駄にしてしまいます。目標を高く掲げておけば、たとえ予想に遠く及ばなかったとしても、結果として将来を大きく先取りすることができますから」(Salvador氏)
「OTT(Over The Top)事業者は、通信事業者の収益にとって脅威になるか」というトピックでは、Salvador氏は、より現実的な見解を示した。つまり、「10年後にも生き残っていたければ、通信事業者とOTT事業者は互いに協力するしかない」という、Googleの従来の主張を繰り返したのである。
「私たちは、ネットワーク対コンテンツの争いではなく、ネットワーク、コンテンツ、そしてユーザーからなるエコシステムの構図としてとらえています。全員が協力し、持続可能なシステムへと進化させなければなりません」(Salvador氏)
前職ではインドの携帯電話事業者Aircelでデータ、VAS、および新製品担当責任者を務め、現在はTwitterでインドと東南アジア地域でビジネス開発部門を率いるArvinder Gujral氏も、この意見に同調する。