独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は1月29日、Windows XPのサポート終了が迫っていることを受け、継続利用に伴うリスクについての注意喚起を発信した。
4月9日(米国時間4月8日)のWindows XPのサポート終了まで残り70日を切った。終了以降はセキュリティ更新プログラムが提供されなくなり、セキュリティリスクが高まる。加えて、Windows XP上で稼働しているサードパーティ製のソフトウェアを含むさまざまなアプリケーションについても、いずれサポートが終了し、脆弱性の修正や機能改善のためのアップデートがされなくなる。例えば、Windows XPと同時にOffice 2003、Internet Explorer 6もサポートが終了する。
これにより、OSやアプリケーションともに、サポート終了以降に発見された脆弱性は修正されることがなくなるため、常にセキュリティリスクを抱えた状態になり、サポートが継続しているOSに比べて、マルウェアへの感染や攻撃者からの侵入を許しやすい状態に陥ってしまう。なお、Windows XPの脆弱性は過去5年間に618件、直近の2013年でも123件が確認されている。まだ把握されていない脆弱性は少なからず存在しており、攻撃者による悪用が懸念される。
XPサポート終了以降のリスクの変遷イメージ(IPA提供)
こうした理由から、IPAでは、サポートが継続している後継または代替OSへの移行を促している。やむを得ない事情により移行が間に合わない場合には、下記のようなリスク緩和策を取りつつ、移行計画を立てて速やかに移行を進めることを推奨している。
・オフラインでの利用に切り替えられる場合はWindows XPの使用をオフラインに限定し、USBメモリなど外部情報媒体の自動実行機能を無効化するなど、ネットワーク以外からの攻撃リスクを低減するための対策を打つ
・オンラインで利用せざるを得ない場合は、サポートが継続しているウィルス対策ソフトや、日本マイクロソフトが無償で提供している「Enhanced Mitigation Experience Toolkit」(EMET)などの攻撃対策ツールを活用し、攻撃の検知や回避を行う。また、サポートが継続しているアプリケーションを最新に保ち、サポートが終了したアプリケーションは代替アプリケーションに切り替える
ただし、これらのリスク緩和策を実施しても、Windows XPやサポート終了アプリケーションの脆弱性が解消される訳ではなく、リスクの低減に努めながら、可能な限り早急に移行することが望ましい。IPAでは、企業および一般利用者が、サポートが終了したOSの継続利用におけるリスクを認識し、速やかに移行への取り組みを進め、PC利用時の安全性向上につながることを期待するとしている。