国立大学の信州大学は、造水・水循環システムの研究開発拠点にスーパーコンピュータを導入することを決定した。同大学と富士通が2月13日に発表した。“ナノカーボン”のシミュレーションなどに活用する。
導入するのは、IAサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY RX200 S8」16台で構成するクラスタとUNIXサーバ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」1台。7月から稼働する予定となっている。
16台のPRIMERGY RX200 S8で構成するクラスタは総メモリ容量が4Tバイト。理論性能は、1秒間に6兆7580億回実数演算を実行可能という(6.758TFLOPS)。シングルラックモデルのPRIMEHPC FX10は計算ノード数が12、総メモリ容量は384Gバイト。理論性能は2.5TFLOPS。PRIMEHPC FX10は、10PFLOPS級のスパコン「京」と互換性があり、シミュレーション規模が拡大した時でも連携できるという。
信州大学は文部科学省や科学技術振興機構と連携しながら、今回のスパコンを利用して、ナノメートル単位の炭素粒子で構成されるナノカーボンなど基盤技術の革新を目指す。海水などから必要な水資源を作り出す、水循環システムの研究開発を推進するという。
スーパーコンピュータのシミュレーションによる増水・水循環システムのろ過工程のイメージ