クラウディアンは2月25日、オブジェクトストレージソフトウェア「Cloudian」にオブジェクトストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」とバックアップストレージサービス「Glacier」へのデータ自動階層化(Auto-Tiering)機能を追加することを発表した。
3月初旬にリリースされるCloudian ver3.1から利用できる。追加されるデータ自動階層化機能は、追加オプション料などが不要の標準機能として追加される。オンプレミスやプライベートクラウドで稼働するCloudianに格納したオブジェクトは、指定した期間が経過すると自動的にS3やGlacierに移動する。
Cloudianのユーザーは、バケット単位でオブジェクトをCloudianに格納するか、S3やGlacierに格納するかを選択でき、格納データの読み出し(リストア)もCloudian側の操作で実行し、S3やGlacierの使用料金はクラウディアンが請求する。
自動階層化機能を使うことで、ユーザー企業は、自社の情報管理ルールに適合するよう、プライベートクラウドとパブリッククラウドを使い分けられるという。処理性能を求めるデータは自社で運用するプライベートクラウドなどのCloudianに、長期保管を目的とするデータはGlacierに格納というように目的や種類に応じて格納先を階層化することでコストを最適化できるとしている。プライベートとパブリックを使い分ける“ハイブリッドクラウド”を実現できるとメリットを説明している。
Cloudianは、S3のAPIに完全準拠するオブジェクトストレージを汎用のx86サーバ上に構築、運用できるソフトウェア。S3を利用するアプリケーションであれば、Cloudianが生成するアクセスコードとセキュリティコードを入力して格納先をS3からCloudianに向けることでCloudianにデータを格納できる。完全分散型のPtoPのアーキテクチャとなっており、単一障害点がないとしている。