TISは3月25日、クラウド環境総合管理ソフトウェア「CloudConductor」(アルファ版)をオープンソースソフトウェア(OSS)として公開した。クラウド上に構築するシステムに対して信頼性、可用性、保守性(RAS)の非機能要求を自動的に“配備、設定、管理(オーケストレーション)”できるという。
要素技術として、IaaS環境構築管理ソフトの「OpenStack」やシステム統合フレームワークの「Chef」、統合監視ツールの「Zabbix」、プログラミング言語の「Ruby」などのOSSを活用している。
CloudConductor自体も仕様を公開してOSSとしてアルファ版から広く公開することで、企業システムの“暗黙知”として蓄えられてきた方式設計に関するノウハウを“形式知”として共有するエコシステムの構築を目指すという。CloudConductorがもたらすメリットは、「クラウドロックインの回避」「システム設計・構築・運用の柔軟性とアジリティ向上」「SLAに合わせたシステム構成のノウハウを形式知化」などとしている。
開発プロジェクトでは、注目されている“SDx”の技術を活用してハイブリッドクラウドなどの多種多様なシステム稼働環境を統合的に管理するソフトウェアの技術開発を目指している。
エンタープライズシステムのインテグレーションの現場でシステムから稼働環境に依存する仕様を切り離し、個別のクラウドを超えてシステム方式設計の自由度と再利用性を高め、あらゆるリソースをソフトウェアで管理し制御する“SDI(Software-Defined Infrastructure)”の実現が将来構想という。
TISでは、CloudConductorを継続的に開発していき、将来的には、システム基盤構築を短縮し、標準化して品質を向上させる“システムのレディメイド化”や“オーケストレーションシステムパッケージ”などのコア技術として活用していく予定。
CloudConductorの利用イメージ(TIS提供)