富士通は4月1日、製造業のアフターサービス業務を支援する保守業務支援システム「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA ENTERPRISE MM」の販売を、同日から開始すると発表した。「GLOVIA ENTERPRISE MM V1 M2M連携」と「GLOVIA ENTERPRISE MM V1 現地保守」の2種類があり、価格はそれぞれ税込800万円から。2016年度までに各30本の販売を見込む。
富士通の製造業向け保守業務システム概要図
GLOVIA ENTERPRISE MMは、富士通が自社のサーバ製品などの保守で実践しているアフターサービス業務のノウハウを取り入れ、M2M、スマートデバイスなどのICTを活用し、センシングによる稼働監視やビッグデータの統計分析による故障予測、現地保守支援などの製造業のアフターサービスを高度化する業務支援システム。
製品名に含まれる「MM」とは、Maintenance Managementの略称。2013年10月に発表した「ものづくりソリューション」の基盤技術、プラットフォームと保守領域に位置付けられ提供している「FENICS II M2Mサービス」と「GLOVIA OM(フィールドサービス機能)」に加え、今回新たに提供する同システムによって、保守業務全体をカバーできる。
2種類のうちGLOVIA ENTERPRISE MM M2M連携は、機器の稼働監視業務を高度化するためのシステム。FENICSII M2Mサービスとの組み合わせにより、稼働情報の可視化と故障予測による機器稼働率向上を実現する。センシング技術により、収集した稼働状況をリアルタイムにグラフィック技術を用いて可視化する。
機器の故障や予兆を早期に検知するだけでなく、機器ごとの稼働履歴に加えて、故障履歴や対応履歴情報も一元管理しており、それらを分析、予測するソフトウェア「FUJITSU Software Interstage Business Analytics Modeling Server」によって分析する。これにより、予測に基づく最適なタイミングでの予防保守が可能となり、機器の稼働率向上と保守コストの削減を実現するという。
一方のGLOVIA ENTERPRISE MM 現地保守は、基幹の保守業務システムとスマートデバイスを組み合わせ、現地保守業務を支援するためのシステムだ。現場でスマートデバイスを活用することで、作業予定の確認、作業実績入力、モバイルプリンタへの作業明細書印刷、顧客の手書きサイン入力など、訪問先での保守業務に必要な全ての作業を実施することが可能(電波の届かない場所での実績入力も可能)。
地図による作業場所確認や、音声・動画情報の添付なども可能で、保守作業員の業務効率化が図れる。また作業状況をリアルタイムに把握することで、保守作業員の最適な配置も可能となり、保守コストを削減できるという。
また、現場の保守、故障の実績情報を電子化し、一元管理することで、保守部門だけでなく設計部門などの関連部門との情報の共有、活用が可能となり、保守サービスの継続的改善や製品品質の向上にも寄与する。「GLOVIA OM」(フィールドサービス機能)との標準接続機能により連携できる。