伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のグループ会社シーティーシー・エスピー(CTCSP)は4月10日、カスタマイズできるモバイルシンクライアントの販売、保守サポートを開始した。日本ヒューレット・パッカード(HP)のモバイル製品にWindows Embedded OSを搭載したモバイルシンクライアントを販売することで日本HPと日本マイクロソフトと合意した。
CTCSPによれば、タブレット端末や17インチ以上の大画面ノートPCで、Windows Embeddedを搭載したシンクライアント製品の提供は業界初という。
事業継続やオフィス節電、セキュリティ向上などの目的に加え、Windows XPサポート終了などといった状況が後押ししてクライアント仮想化ニーズは高まっており、シンクライアント化は従来のデスクトップ型やノート型のPCで進んでいるとされている。
だが、タブレットや2in1ノート型、大画面ノートPCなどのモバイル製品では遅れている傾向という。理由の1つとして、カスタマイズ対応できるモバイルシンクライアント製品がないことが挙げられている。こうしたニーズを受けたのが、今回のカスタマイズ対応モバイルシンクライアントになる。
業界で初めて業務に合わせたOSや認証、周辺デバイスなどのカスタマイズを可能とし、CTCSP独自技術のタブレット端末画面のピンチアウト機能、アプリケーションや生体、カード、ワンタイム認証システム、シンクライアント環境での対応が難しいUSBデバイスの管理など顧客ニーズに応じて対応できるようにした。
Windows Embeddedでは、データを端末に残さぬよう書込保護フィルタ機能が備わっており、ソリッドステートドライブ(SSD)への書き込み処理はメモリに展開するのみとなっている。CTCSPは、独自のノウハウで書込保護フィルタをカスタマイズして対応、業務にあわせた最適化を可能にしたという。
同社では、このモバイルシンクライアントだけでなく、仮想化関連や認証など、シンクライアント化に必要な付帯システムの設計、カスタマイズ、構築、サポートまでをワンストップで提供する。
モバイルシンクライアントのカスタマイズを可能にしたWindows Embeddedの仕組み(CTC提供)