日本ユニシスグループは2月18日、自動車部品メーカーを中心とした製造業の設計部門向けにグローバル化対応時の業務やシステムの課題を解決するCADシンクライアント導入検証サービスの提供を開始した。
自動車部品メーカーなどグローバルに事業を展開する製造業では、設計から販売、アフター対応までの業務全体を現地にてタイムリーに実施することが必要となってきている。
自動車部品メーカーなどのグローバル展開では、海外拠点との間でのCADデータのやりとりに伴う情報漏えいリスク、災害時などの業務継続、海外拠点での運用管理コストなどの課題があり、CAD環境のシンクライアント化に対する関心が高まっているという。今回の検証サービスは、その導入を支援するためのもの。
サービスの提供前に、ユニシス内に製造業のグローバルIT環境に似せた環境を設置し、CADシンクライアントを2013年11月~2014年1月に技術的に検証した。検証には、ユニシスグループだけでなく、シスコシステムズやエヌビディア、シトリックス・システムズ・ジャパンが参加している。
技術検証では、ユニシスグループの日本ユニシス・エクセリューションズのCAD/CAMシステム「CADmeister」やシスコのスイッチ「Cisco Nexus」とIAサーバ「Cisco Unified Computing System」、シトリックスのデスクトップ仮想化ソフト「XenDesktop」、エヌビディアのグラフィックス技術「NVIDIA GRID」を活用した。
検証結果として、製造業のCADシンクライアント導入は技術面では十分に企業ニーズに応える段階にあるが、実際の導入では各個別企業の利用環境や運用環境を鑑みたシステム設計、構築が必要であるとしている。
検証対象となるCADアプリケーションは、アプリケーションベンダーとの間でユーザー企業を交えて検討する。サーバや仮想化ソフトなどの環境は技術検証と同じものを使う。
サービス価格は、国内環境での検証に加え、海外拠点での実地で検証する「グローバル検証サービス」が500万円から、顧客企業の国内拠点内にグローバル活用を模した環境を構築して検証する「国内環境での検証サービス」が400万円から、顧客の検証計画立案を支援する「CADシンクライアント導入検討支援サービス」が50万円からとなっている。今後3年間で50社に対するCADシンクライアントシステムの提供を計画している。
技術検証の環境イメージ(日本ユニシス提供)