独立行政法人情報処理推進機構(IPA)技術本部 セキュリティセンターは8月5日、パスワードリスト攻撃によるネットサービス被害が深刻になっていることを受け、安全なオンライン本人認証の実現を目的とし、その実態を調査し「オンライン本人認証方式の実態調査」報告書として公開した。
この調査は、流出した個人のIDやパスワード(以後、アカウント)が不正アクセスに悪用される「パスワードリスト攻撃」が、2013年以降に多発していることを受けて行われた。インターネットサービスにおける利用者(個人)とサービス事業者双方のオンライン本人認証の実態調査を実施し、安全なオンライン認証を実現する上での利用者側、サービス事業者側の対策を検討し、優先すべき対策項目を報告書として取りまとめた。
報告書では、公開情報をもとに2013年に発生した被害を調べ、20社の不正アクセス期間、不正ログインの試行件数、成立件数、成功率も掲載している。

パスワードを設定する際の最小桁数
調査結果から、利用者の安全なパスワードに対する認識は決して低くはないものの、実態として適切に設定している割合は低いことが分かる。また、サービス事業者が提供しているパスワードの最小桁数を見ると8ケタ未満が58%、うち通販・物品購入サービスに限ると79.2%にも及んでおり、多くのサービスでセキュリティレベルが最低限の安全条件を満たしているとは言い難いという結果が判明した。