この話の本当の要点はこうだ。Appleは知らず知らずのうちにエンタープライズ分野に足がかりを得ており、今はまだ初期段階にあるということだ。以下のことを考えてみてほしい。
- エンタープライズ分野は、企業が所有するPCのアップグレードサイクルのさなかにある。従来のベンダーは2in1デバイスを売り込んでおり、買い手を見つけられる可能性もある。なぜなら、法人は2つの購入サイクル(PCとタブレット)より1つの購入サイクル(PCに近い製品)を管理する方を好むからだ。より大型のiPadは、MicrosoftのSurfaceが食い込もうとしているこの市場にリーチできるかもしれない。
- タッチ操作は法人分野ではいまだに初期段階にある。「Windows 7」が法人分野で盛んに利用されているのには妥当な理由があり、それは「Windows 8」の利点よりもはるかに大きい。最大の理由は、エンタープライズアプリがまだタッチ操作に対応していないことだ。アプリケーションの進化とタッチデバイスは関連している。こうしたエンタープライズアプリのタッチ対応が進んでいる今、Appleはちょうど良いタイミングで良い立ち位置にいるのかもしれない。
- AppleはBYOD(個人所有デバイスの業務利用)を通して、エンタープライズ分野で重要な役割を担うようになった。企業はBYODを煩わしいことと感じている。IBMとの提携や一括購入プランによって、企業は一元的なサポートと管理という特典付きで、職員が求めるものを提供できるだろう。Cook氏によって、企業は自らの意見に耳を傾けてもらえるようにもなった。このような状況から考えると、さまざまなスクリーンサイズを提供するAppleの計画は、理にかなっている。たとえ一般の人々はそれに興奮を感じないとしても、だ。
iPhoneの販売台数(単位:千台)と平均販売価格(ASP)。販売はBRIC諸国で堅調。ASPは、商品ミックスの変化や為替の影響で下がってきている。
iPadの販売台数(単位:千台)と平均販売価格(ASP)。先進諸国での需要の弱さを新興市場での需要が一部補ったものの、販売台数は減少した。Appleは、法人ユーザーが販売台数の増加に貢献すると考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。