ウイルス対策製品を提供するAVG Technologiesが、モバイルセキュリティ企業のLocation Labsを買収した。AVGはこの買収により、モバイルセキュリティのポートフォリオを充実させ、携帯通信事業者との有益なパートナーシップを獲得したいと考えている。
自らを「人間のためのモバイルセキュリティ」のプロバイダーと称しているLocation Labsはコンシューマー向け、および企業向けのモバイル機器管理プラットフォームを提供している。カリフォルニア州に拠点を置く同社は過去5年間、最速で成長を遂げている米国の非上場企業をリストアップした「Inc. 5000」にランクインしている。
AVGは、今回の買収によってオンラインセキュリティプロバイダーとしての同社の地位が「大幅に拡大」され、同社のモバイルセキュリティ部門の成長が加速されると述べている。また同社は、Location Labsとそのポートフォリオを獲得することで、Location Labsの価値ある個人向けセキュリティ製品を手に入れるとともに、米国の大手携帯通信事業者4社すべてとの新たなパートナーシップを築ける可能性があるとも述べている。
AVGによると「携帯通信事業者向けのLocation Labsの統合プラットフォームや、『Android』搭載スマートフォンにあらかじめインストールされているサービス、家族と安全性、個人を念頭に置いた機器管理を含むモバイル機器向けのサブスクリプションサービスはいずれも、AVGの既存のモバイル向け製品の補完、拡充に寄与すると期待している」という。
今回の買収条件に従い、AVGはおよそ1億4000万ドルを前もって支払うとともに、業績水準とその目標に基づき今後2年間で現金約8000万ドルを支払うことになる。
Location Labsの最高経営責任者(CEO)Tasso Roumeliotis氏は引き続き同社のチームを率いる予定だ。
AVGの現行のモバイル機器向けセキュリティ製品には「AVG AntiVirus for Android」や、「Windows」搭載PCとAndroid搭載モバイル機器の双方を対象とする「AVG Zen」が含まれている。
今回の買収は株主による承認を必要としているが、承認された場合には2014年第4四半期に買収が完了する見込みだ。
関連するニュースとして、AVGは米国時間9月3日、3億ドルまでの優先信用供与枠を確保するためにMorgan Stanley Senior Fundingとの間でコミットメントレター(確約書)を締結したと発表した。
この合意条件において、AVGは2億5000万ドルと5000万ドルという2つの融資をそれぞれ6年と5年にわたって返済することになる。同社によると、融資の大部分はLocation Labsの買収に充てられる一方、残りの資金は一般的な企業用途と「将来的に実現する可能性のある買収」に用いられるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。