有限責任監査法人トーマツとデロイト トーマツ コンサルティングのTMT(Technology, Media & Telecommunications)グループは9月17日、「デジタルメディア利用実態グローバル調査 2014」(Digital Democracy Survey)の結果を発表した。
日本のスマートフォン普及率は56%に伸びているものの、タブレットやラップトップ所有割合は米国の半分にとどまっていること、ニュースを知る手段の27%がポータル経由となっており、新聞の電子版を挙げたのは他国の半分以下の4%であることなど、日本特有の状況が見られるという。
調査は世界8カ国(日本、米国、ドイツ、オーストラリア、イタリア、ノルウェー、スペイン、中国)において、14歳以上の一般消費者を対象として2月から4月にオンラインで実施した。1万7699人(うち日本は2150人)から回答を得た。
主なトピックは以下の通り。
(1) スマートフォン、タブレット、ラップトップPCなどスマートデバイスの普及状況
日本におけるスマートフォンの普及率は今回の調査で初めて過半数の56%となった。一方でスマートフォン、タブレット、ラップトップPCの全てを所有する割合は17%で、米国の37%に対して半分以下にとどまる。
スマートフォンの保有率の推移 (日米比較) ※2011 年~2013 年の数値はメディアデモクラシー調査からの出典
(2) スマートデバイスの利用目的
日本でスマートデバイスの利用目的として回答が多かったのは天気、検索、SNS、ゲーム、カメラなどの機能やサービスとなり、他国の結果に見られる映像配信の視聴や読書などコンテンツを楽しむための利用が上位に上がらなかった。
スマートフォンやタブレットで頻繁に使うアプリ(サービス) ※ただし、通話は除く
(3) 映像コンテンツの利用について
日本では、映像コンテンツを良く見るデバイスとしてテレビを挙げる割合が87%と圧倒的に高い。一方で、全年代を通して半数程度が、今後スマートフォンやタブレットなどでの視聴が増える、と回答。
映像コンテンツを視聴するデバイス(機器)
(4) ニュースを知るメディアについて
各国で最も高い割合となったのはテレビ。ついでインターネットとの回答が多いが、日本ではポータルサイトが圧倒的に強いのに対し、他国では新聞の電子版が利用されている。特に日本では、紙の新聞と回答する割合が他国に対して大きい。
ニュースを知るために使用する手段
(5)ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用について
SNSの利用者は日本でも5割近くに及ぶが、他国に比べると利用者の割合は少ない。特にSNSに情報を毎日投稿する人の割合は米国53%に対して、日本では4分の1未満の13%にとどまった。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の投稿頻度
(6)購買決定に影響力のあるメディア
どの国でも「家族、友人、知人からの推薦」が1位。2位は、中国を除き「テレビ広告」となっている。ただ、テレビについては「ながら視聴」が一般化しており。番組および広告への注意力が低下の懸念がある。
購買決定における影響力順位 (影響力があると評価した割合の大きさでランキング)