パリ発--Linuxディストリビューション「Ubuntu」で最もよく知られるCanonicalが、デスクトップ向けLinuxやモバイル向けLinuxではなく、クラウドベースのLinuxに焦点を定め直すことに疑問を抱いていた人もいるかもしれない。しかし、そうした疑念はOpenStack Summitで解消された。
確かに、Canonicalは先頃、Ubuntuの最新バージョンである「Ubuntu 14.10」をリリースしたばかりだが、リリースの本当の変更点はデスクトップユーザーではなく、「OpenStack」クラウド管理者を対象としたものだった。現在パブリックベータ版である「Canonical Distribution of Ubuntu OpenStack」について、Canonicalの創設者であるMark Shuttleworth氏は、「これは、ユーザーのプライベートクラウドのための完全なオートパイロットだ」と述べた。
Shuttleworth氏は以下のように続けた。
「Metal-as-a-Service(MaaS)を搭載した1台のラック、または10台のラックでCanonical Distribution of Ubuntu OpenStackを利用し、ストレージとソフトウェア定義ネットワーク(SDN)、ハイパーバイザに関する設定を伝える。そうすると、Canonical Distributionは自動的にクラウドを作成し、ユーザーに代わって管理と監視を行う。さらに、クラウドを完全にセキュアな状態に維持し、適宜、OpenStackの次期バージョンにアップデートする。これは、高性能なリファレンスクラウドを求めており、基盤となるインフラストラクチャよりも自分のアプリケーションとワークロードに注力したいと考えている人々に最適だ」
これを実現するため、Canonical Distributionはシステム管理に「Canonical Landscape」を、DevOpsに「Juju」をそれぞれ使用する。さらに、このリリースはネットワークやストレージ、コンピューティングに関連する複数のベンダーコンポーネントもサポートする。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。