IDC Japanは1月22日、2014年のSoftware-Defined Storage市場の分析結果を発表した。ユーザー部門がソフトウェア制御技術に期待するのはストレージの管理性より費用削減という結果が出た。
IDCでは、Software-Defined Storageを「容易に入手可能な(カスタマイズされていない)コンポーネントによって構成されたコモディティハードウェアを前提とし、その上に搭載されたソフトウェアスタックによってストレージ機能のフルセットを提供するプラットフォーム」と定義している。
ユーザー調査の結果、従業員規模で認識の度合いに多少の差はあるものの、Software-Defined Storageをよく知るユーザーの割合が非常に少なかったという。
保有するデータ量別に集計した結果をみると、1Pバイト以上のデータを保有しているユーザーでは「使用している」という回答を含めて認識が高くなるという結果が出た。
認知度は低いものの、Software-Defined StorageにはOpen Source Software(OSS)をベースにするものも多く、そのオープン性によって他のシステムとの相互運用が容易な場合が多いため、新しい提案が生まれやすいという。
Software-Defined Storageへのユーザーの期待は「調達や運用の費用が削減されること」とする回答が最も多く、次に「管理性」が続く。これを受け、ユーザーがSoftware-Defined Storageの採用意義を理解しやすいような革新性、例えば運用性や拡張性における差別化などが訴求でき、有益性を感じさせるパッケージング(ハードウェア、ソフトウェア製品やサービスの組合せ)が提供可能かどうかにより、普及の速度が変わるとした。
IDCはSoftware-Defined Storageに対する一般ユーザーの認知はまだ低く、ストレージ業界、ベンダー側の活発な動きとは対照的な状況と説明。テクノロジの進化過程から考察すると、Software-Defined Storageにはアーキテクチャやビジネスモデルの観点で有利な面があり、市場に定着するのは間違いないと指摘している。
Software-Defined Storageに期待する使用メリット N=688 複数回答(IDC提供)ユーザー中心に質問