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心理的な不安の打破が課題--ドロップボックス・ジャパンの河村社長

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-01-15 16:36

 Dropboxは2014年10月に日本法人ドロップボックス・ジャパンを設立した。以前、シマンテック日本法人の社長を務めた河村浩明氏が代表取締役社長に就任している。オンラインストレージという競合の多い分野で、どう差別化を図るのか。今後の戦略について話を聞いた。


ドロップボックス・ジャパン 代表取締役社長 河村浩明氏

--日本法人として注力しているのは。

 9月に入社し、10月からオフィスを構えた状況で現在は組織を作っている段階です。日本法人としては大きく2つの注力分野があります。1つは、ユーザーの増加です。Dropboxのユーザー数は全世界で3億人を超えていますが、日本ではわずか900万強にとどまっています。もっと知名度を高めていく必要があります。そのため、プロモーションやマーケティングを強化します。

 2つ目は、より幅広い層へのリーチです。日本のユーザーの7割が500人以下の中小企業であることが顧客データとしての特徴です。販売チャネルを広くし、カバーしていくこと。大規模企業はまだまだクラウドストレージに慎重で、急には浸透しません。ただ、アーリーアダプターの企業が出てきています。

 マーケティングは人材強化も含めた課題です。これまでは、問い合わせがあっても海外で対応していたため、日本語での返答ができませんでした。しかし、日本法人設立とともに対応が可能になりました。さらにサイト訪問者向けにデジタルマーケティングにも注力していきます。

 日本法人のスタッフは拡大中で採用を進めており、優秀なSEも採用できそうです。顧客と一緒にDropboxの運用方法を提案するなど地域の事業者との統合が大事になるため、その分野に注力できるエンジニアのリソースを確保することが必要だと考えています。

--現在、ビジネスユーザーの割合はどのくらいか。

 「Dropbox for Business」という企業向けサービスがあるものの、コンシューマー向けのサービスである「Dropbox Pro」を仕事で使っているケースが多いようです。実際には有償サービスのほとんどが仕事で使われていて、どんどん増えている印象です。

--2014年8月にDropbox Proのセキュリティ強化をしているが、どのような内容か。

 リモートワイプ機能を追加し、モバイルデバイスから、Dropbox内に保存されているファイルを削除できるようにしました。また、共有フォルダにおいて共有のコントロール機能を強化しました。これは、共有フォルダ内のファイルにリンクする際にパスワードを設定したり、パスワードの有効期限を設定できるようにすることです。主に顧客のIT部門から要望を得ていた機能強化であり、情シス部門が安心して利用できるようになったといえます。

 

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