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心理的な不安の打破が課題--ドロップボックス・ジャパンの河村社長 - (page 2)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-01-15 16:36

--Dropbox for BusinessのAPIを公開したが反響は。

 ユーザーは米企業が圧倒的に大きく、米国では活用事例が増えています。日本でも、自社だけでなく他社や大学などの技術やアイデアを開発などに活用する概念「オープンイノベーション」が重要であると考えており、MicrosoftやSalesforceなどとAPIで連携できるようにしています。

 例えば、OfficeとDropboxの親和性を強くすることで、スマートフォンからDropbox上のOfficeデータを直接編集できます。これは安全上でも、軽快に使える点でも有効です。現在、情報漏えい対策(DLP)やセキュリティ情報イベント管理(SIEM)、シングルサインオンのベンダーと製品の統合作業を進めています。

 Dropbox APIでは、例えばSaaS型セキュリティを展開する「CloudLock」という企業の製品と統合した「CloudLock for Dropbox」が提供されています。これは情報漏えい対策のサービスで、DropboxやSalesforceをCloudLockの管理画面からモニターできるものです。同様に、SplunkのSIEM製品でもDropboxの画面ができています。こういった、他社やパートナーのテクノロジの中でDropboxが動くようなことを進めていきます。

 一方で、日本ではローカルなベンダーとのインテグレーションを強力に進めていく計画です。それはメガパートナーと呼ばれるパートナーとベンダー、ドロップボックスの3社が組んで統合するものです。

 例えば、モバイルデバイス管理(MDM)や会計、統合基幹業務システム(ERP)、顧客管理システム(CRM)といった製品ベンダーとの統合を推進しています。大企業はグローバルベンダーの方がいいと思いますが、日本の中小企業は特にローカルのベンダーの利用が多いので、そういった地場のベンダーと組むということです。

--オンラインストレージサービスが乱立しているが差別化のポイントはどこか。

 われわれの強みは、まずプラットフォームフリーであることです。同期においても同様です。複数のプラットフォームでストレージサービスを使っていると、バージョンが変わるとうまく使えなくなり、生産性が上がらなくなるという問題があります。しかし、Dropboxのフォルダ同期機能は、どんな機器やOSにも対応しています。

 また、同期は変更部分のみを更新するため、スマートフォンでの同期で通信データ量を圧迫することがありません。他社の場合はすべてのデータを同期するため、通信制限を超えてしまい通信速度が遅くなってしまうことがあります。

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