Microsoftは、現在社内で使用している「Cosmos」の有償版を開発しているようだ。Cosmosは「Microsoft Azure」上で稼働する、ビッグデータの計算/分析/ストレージサービスだ。
筆者は2014年8月の時点で、同社が次に提供するAzureの大型サービスの1つはCosmosになるだろうと予測していた。筆者の複数の情報筋からの話によると、実際にその方向を目指して進んでいるように見受けられる。
Microsoftは、近々提供されるであろう同サービスの主要コンポーネントをテストするためのテスターを募集しているところだ。同情報筋によると、これらのコンポーネントには「Kona」という開発コード名の分析エンジンや、「Cabo」という開発コード名のストレージエンジンが含まれているという。また、「SQL-IP」というSQLフレンドリーな新言語もあるという。この言語は将来提供されるビッグデータ分析パッケージの一部となる。
Cosmosは現在のところ、Microsoftの社内用サービスにとどまっている。これは、Azureや「Bing」「adCenter」「MSN」「Skype」「Windows Live」からのデータを取り扱う、同社の大規模並列ストレージ兼計算サービスとなっている。Microsoftによる最近の人材募集によると、社内の5000人の開発者と「数千人単位の」ユーザーがCosmosを利用しているという。なおCosmosには、同社の分散処理技術「Dryad」が用いられている。
Microsoftはこれまで社内で、テレメトリデータの処理のほかに、Bingや「Office 365」といったサービスで作り出された大規模データセットの分析やレポート、多種多様なデータの選別や整理およびバックエンドでの処理にCosmosを使用してきた。また、こういったさまざまな目的で使用される大量のデータは共有される。なお、このデータに対するクエリは、1台から4万台までのマシンで並列処理できる。
Microsoftは一般顧客用のCosmosを、Azure上で「Apache Hadoop」を稼働させる同社のサービス「Azure HDInsight」を補完するものとして位置付ける計画だ。同情報筋によると、ユーザーは同一データセットに対してHDInsightとSQL-IPのいずれを使用するのかを選択できるようになるという。
SQL-IPはSQLとC#、.NET Frameworkを組み合わせたものであり、拡張可能性と並列計算処理を追求している。また、筆者の情報筋の話から判断すると、SQL-IPをサポートする「Microsoft Visual Studio」のプラグインも用意されるようだ。
Microsoftは提供予定のCosmosサービスにおいて、計算とストレージという観点からの従量制課金を適用する計画だ。同情報筋によると、ユーザーは自らのデータに対してクエリを実行し、その処理にかかった分だけを支払えるようになるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。