日本IBMとソフトバンクテレコムは2月10日、コグニティブ(認知)コンピューティング「IBM Watson」を使った製品やサービスの開発や販売に関し、戦略的提携に合意したと発表した。
Watsonはクラウドを基盤に提供され、大規模なデータを分析し、自然言語で投げかけられた質問を解釈、根拠に基づいた回答を提案するシステム。
提携の目標は、ビジネスパートナーや起業家、アプリケーション開発者、投資家などともにWatsonのエコシステムを構築し、Watsonで強化された新たなアプリケーションやサービスを日本市場に導入することとした。
日本のビジネスとテクノロジ市場におけるソフトバンクテレコムのリーダーシップに、Watsonのコグニティブ技術、研究能力やサービスを組み合わせるとアピールしている。
Watsonはアルファベット以外の言語に初めて対応することになる。あらゆる業界や領域にWatsonの自然言語を解釈する能力を適用することを目指す。特に教育、銀行、保険、小売りや医療などの産業に注力。「Watsonへの日本語による教育とトレーニング」「日本で利用可能なAPIの開発と開発環境」などに着手する。
ソフトバンクテレコムは日本のWatson関連製品やサービスを提供するパートナーとなる。PCやタブレット、携帯端末、ロボットなど、さまざまな形を通じてWatsonの利用を可能にし、より多くのユーザーへの普及を促進する。また、Watsonは国内にあるソフトバンクテレコムのデータセンターで運用されるとした。
IBMのイベントでは、ソフトバンクのロボット「Pepper」とWatsonを組み合わせたシステムのデモが紹介されるなど、すでに連携が進んでいた。日本企業ではみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行がWatsonの活用を進めている。
IBMは2014年1月に専門部署のWatson Groupを発足。Watsonを搭載したアプリケーションを構築する新興企業や企業によるIBMのエコシステムへ1億ドルを投資した実績を含め、10億ドルを投資しているという。