日本マイクロソフトは4月21日、企業向けユニファイドコミュニケーション(UC)プラットフォーム「Microsoft Lync」を「Skype for Business」に名称変更し、ユーザーインタフェース(UI)を個人向けのSkypeに統合した仕様で4月中旬から順次提供を開始したことを明らかにした。Microsoftが持つ2つのコミュニケーションプラットフォーム製品のブランドを、ネームバリューの高いSkypeの方に寄せ、操作性もSkypeに合わせた格好だ。
日本マイクロソフト Officeビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 小国幸司氏
同社 Officeビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャーの小国幸司氏は「Skype for Businessは、これまでLyncで提供してきたプレゼンス(在席状況)、インスタントメッセージング、音声通話、オンライン会議、VoIPの全機能をそのままSkypeのUIで提供する。料金体系、互換性、導入方法もLyncと同様だ」と説明する。Skype for Businessは、Lync同様に、同社の企業向けクラウドサービス「Office 365」の構成サービスとしてクラウド型での利用、オンプレミスでの利用、オンプレミスのSkype for BusinessをOffice 365の他サービスと連携させるハイブリッド構成での利用が可能だ。
個人向けSkypeの画面(左)とSkype for Businessの画面(右)
新機能として、Skype for Businessと個人向けSkypeとの間で基盤を連携し、Skype同士と同じ操作感で、Skype for BusinessとSkypeの接続を可能にした。2製品ではネットワーク構成が異なり、Skype for Businessはクライアント/サーバ(C/S)方式、Skypeはスーパーノード型のP2P方式を採用している。「今回、2製品を連携させるにあたり、連携のためのエッジサーバを配置するなど基盤側の改修を行った。また、音声通話の仕組みは従来Skypeが採用していた仕様に統一した」(小国氏)
ブランド統合効果で売上高2倍増を計画
日本マイクロソフト 執行役 常務 パブリックセクター担当の織田浩義氏
同日の発表会には、同社でテレワーク推進担当役員を務める、執行役常務の織田浩義氏(パブリックセクター担当) が登壇した。織田氏は、日本市場においては、「テレワーク」や「ワークスタイル改革」の切り口でSkype for Businessを訴求していくと説明する。
「2015年は、日本市場においてこれまでになく”テレワーク“が注目されている。ブランドバリューのあるSkypeの名を法人向け製品につけることで、”テレワークと言えばSkype for Business”という認知を獲得していきたい。2016年度(同社会計年度の2015年7月~2016年6月)は、Skype for Businessの売り上げを前年度比2倍に拡大することを目指す」(織田氏)
さらに織田氏は、Skype for Businessの今後の機能拡張に言及。「オンライン会議の参加可能人数を、現在の最大250人から数千人規模へ拡張する。また、開発APIを拡充し、ブラウザにSkype for Businessを組み込むなどの開発を容易にする。公衆電話回線網との接続についても実現したい」(織田氏)と述べた。