F5ネットワークスジャパンは5月12日、クラウド上でウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)機能を提供 する「F5 Silverline Web Application Firewall(Silverline WAF)」と、小規模な ウェブアプリケーション稼働環境向けの負荷分散(ロードバランサ)「F5 LineRate Point Load Balancer(LineRate Point)」の2製品を発表した。
SOCスタッフがWAFの監視・運用を代行
Silverline WAFは、同社のトラフィック管理製品「BIG-IP」シリーズを構成するWAF機能「Application Security Manager(ASM)」を、運用・監視サービス付きのSaaSとして提供するもの。ウェブサーバのDNSレコードの設定変更だけで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(CSS)、ウェブクローラなどの脅威からウェブアプリケーションを保護できるという。
F5ネットワークスジャパン セールスエンジニアリング本部 本部長のGuido Vosmeer氏
セールスエンジニアリング本部 本部長のGuido Vosmeer氏は、Silverline WAFと、同じくSliverlineシリーズの分散型サービス妨害(DDoS)攻撃対 策SaaS「Silverline DDoS Protection」をあわせて導入することで、「レイヤ7を包括的に防御できる」と説明した。
SliverlineシリーズのWAFとDDoSの運用は、米国シアトル本社内のセキュリティ監視センター(SOC)で行われる。WAFについては、SOCのエキスパートが、顧客のネットワークのセキュリティポリシーの作成・運用、24時間のアプリケーション監視、検知率・誤検知率改善のためのチューニングなどを実施する。
F5 Sliverlineシリーズの2サービス導入でレイヤ7を包括的に保護
BIG-IPの適用外領域をカバーする負荷分散ソフト
LineRate Pointは、“ソフトウェア定義データセンター(Software Defined Data Center:SDDC)”に対応した仮想ロードバランサ。アプリケーション開発者向けのテスト環境や、部署ごとに使うビジネスアプリケーション環境など、数十人が数千のアプリケーションにアクセスするようなシステムに、基本的な負荷分散機能を提供するソフトウェア製品だ。
「BIG-IPシリーズのロードバランサは、ERPなどの大規模システム向けであり、数十人規模のシステムには対応していない。LineRate Pointは、BIG-IPのカバーしていない領域をターゲットとする」(Vosmeer氏)
F5 LineRate Pointはビジネスユニット(BU)やアプリ開発者が使う小規模アプリ稼働環境をターゲット領域とする