日本郵船は、出張や移動が多くても生産性を維持しながら業務を遂行できる体制を構築するため、230カ所超の拠点のコミュニケーション基盤を、PaaS「Office 365」で統合するプロジェクトに着手したと発表した。8月から順次利用を開始し、3年後を目標に日本郵船グループ全体、約3万ユーザーへの展開を予定しているという。日本マイクロソフトが5月21日に発表した。
日本郵船グループは 新中期経営計画において、「事業の差別化戦略」「コンプライアンス徹底」を掲げており、Office 365導入により、現場の効率化、ツール間や部門間を横断したデータのアーカイブ化による”グローバルでのコンプライアンス順守体制整備“を目指すという。
Office 365の採用理由として「政府機関などとともに世界中で連携しているサイバーセキュリティ対策体制」「クラウドの管理面やサービスの運用面、障害の予兆検知や、耐震性を持つ日本のデータセンター」「複数のデータセンターによる自然災害への対策、バックアップ体制」「顧客データのプライバシー保護ポリシー」「グループ各社に任されていたアーカイブを、統一でき、コンプライアンス管理に有用であること」などを挙げている。
顧客データのプライバシー保護ポリシーに関しては、データの所有権が日本郵船であると明確にする必要があったという。サービスを解約した場合、事業者がデータを消去することを明記している点を重視したとのこと。
データセンターの利用契約に、政府などから顧客データの開示要請があった際も、顧客から情報開示してもらうようにするプロセスが定められている点を評価した。
日本郵船グループは今後、グローバルコミュニケーション基盤の統合に加え「Know Who(従業員スキル情報の有効活用)」「SNSを利用したコラボレーション」などを検討しているという。