Red Hatは、64ビットARMアーキテクチャはデータセンターやクラウドでももう間もなく利用できると信じている。同社は米国時間6月22日、「Red Hat Enterprise Linux Server for ARM(RHELA)」の開発者向けプレビューを、アーリーアクセスプログラムの参加者らに提供開始した。2015年か2016年にもベータリリースとなりそうだ。
米ボストンで開催中のRed Hat Summitで、Red Hatのオペレーティングシステムプラットフォーム担当バイスプレジデントのDenis Dumas氏は、ARMのフル対応に向けて作業を進めているとした。RHELAの開発者向けプレビューはRHEL 7.1をベースとしているが、x86のRHEL 7.1と全く同じというわけではない。
Red Hatによると、RHELAは主要な機能の多くをそのまま維持するが、最新のLinuxカーネルに基づく特別な製品で、64ビットARM v8Aアーキテクチャをサポートする。ユーザーにはRHEL 7.1と同じ環境とツールを提供する。RHELAはさまざまなアーキテクチャ上でシームレスなユーザー体験を実現し、同時にパートナー、ISV、企業顧客向けのポーティングと開発を簡素化するという。
RHELAの移植に時間がかかった理由は、ARMがAArch64アーキテクチャを設計する際、(ARMとARMの提携企業は)ファームウェア、カーネル、ライブラリ、コンパイラなど向けのポートや仕様情報を公開しなければならず、数百ものパッケージが影響を受けたためだという。
RHELAは現在、RHEL 7の機能セットを主にベースとするプレビュー段階にある。プログラミング言語、パフォーマンスプロファイルとデバッグツール、サーバデーモン、新しいLinuxカーネルの知識のある開発者向けで、データセンターやクラウドでの実装の準備が整ったとはとても言えないが、そのうちに可能になりそうだ。
開発スピードを改善するため、Red Hatは先にARMとの提携を強化している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。