レッドハット、モバイルソフトウェア分野でサムスンと提携

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-06-24 17:02

 Red Hatは昔から、Linuxサーバの世界で一大勢力を誇ってきた。今回、新しいソフトウェアスタックの開発とサムスンとの提携によって、Red Hatはモバイルビジネスユーザーを獲得するつもりだ。

 両社の共同発表によると、Samsung Business ServicesとRed Hatは以下のものを提供する予定だという。

  •  ビジネスアプリケーション:「Red Hat Mobile Application Platform(RHMAP)」上で動作し、ビジネスインテリジェンス、フィールドサービス、顧客サービス、在庫管理、販売カタログ、価格設定、注文、請求といった重要な人員管理やビジネスタスクに対応する、エンタープライズクラスかつ特定業界向けの一連のモバイルアプリケーション。これらのアプリケーションは、組織に特有のニーズに合うように、任意でカスタマイズや調整ができるように設計される。このモバイルアプリケーションはRHMAP経由で「Android」やそのほかのOS環境で動作する。また、一般的なエンタープライズバックエンドシステムに組み込めるように構成することが可能になる。
  •  開発者エコシステム:エンタープライズパートナーと開発者の新しいエコシステムを構築して発展させ、迅速な技術革新と、モバイル分野の既存および新興のニーズに対応するソリューションの有用性を促すツールとリソース。
  •  サポートサービス:顧客とパートナー向けの統合サポート、エンタープライズモビリティ管理(EMM)、Red Hat Mobile Application Platformの全世界での提供とサポートサービス。
  •  ビジネスコラボレーション:Red HatとSamsung Business Servicesは、両社の提携を通して開発されるソリューションに関して、共同のGTM(Go-To-Market)活動に積極的に関与していく予定だ。

 これらはすべて、Red Hatの新しいRed Hat Mobile Application Platformを中心にして構築される。このプラットフォームは、Red Hatが2014年10月に企業向けモバイルアプリケーションプラットフォームを提供するFeedHenryの買収で手に入れた技術を、Red Hatの「JBoss Middleware」および「OpenShift」PaaS(Platform-as-a-Service)ポートフォリオに組み込んだものだ。

 Red Hat Mobile Application Platformが目指しているのは、「フロントエンドアプリケーションの開発やバックエンドのシステム統合、DevOpsなどの各開発チームの枠を越えたコラボレーションを実現し、モバイルソリューションの開発、インテグレーション、導入、管理を簡素化し、促進する」ことだ。

 このプロジェクトはまだベータの段階にある。現在はRed HatのパブリックPaaSである「OpenShift Online」で提供されており、プライベートクラウド環境でのフルサポートは今後1年以内に「OpenShift Enterprise」で提供される予定だ。

 Red Hatはまた「FeedHenry」の名を冠したオープンソースの開発元(アップストリーム)プロジェクトを2016年に開始する意向も明らかにしている。FeedHenryのモバイルアプリケーションプラットフォーム技術など、最先端のオープンソースモバイル技術の開発に取り組むという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]